2006年にオープンした「朝時間.jp」は、皆様のおかげで今年サービス開始15周年を迎えました。
今回は15周年を記念し、これまでの朝活・朝型市場のトレンドや出来事を振り返ってご紹介します。
“一日のはじまり”をずっと大切にしながら、朝時間.jpが見てきた「朝時間」は、時代やライフスタイルの変化に合わせて変わってきました。
自分はこの頃どんな朝を過ごしていたかな?と思い出しながら、皆様も一緒に15年を振り返ってみてください。
【2004~2007年】ロハス層と、早起きビジネスマンが朝型生活に注目
2004年ごろ、ライフスタイルを表現する言葉として注目されていたのが「LOHAS(ロハス)」。英語でLifestyles Of Health And Sustainability「健康で持続可能なライフスタイル」を意味する言葉ですが、日本では健康と環境を志向するライフスタイルとされ、「ロハスな暮らし」など健康的な生活や癒しが求められるように。アジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ」が開始したり、朝型ライフスタイルへの注目が集まりはじめました。
一方で、ビジネスマンの間では出勤前や休日早朝に、勉強、趣味などで自分の能力を高めようとする、朝時間の活用法がトレンドに。朝食を自宅外でとる“ソトアサ”や、会社の席で食べる人“席朝(せきあさ) 族”という言葉も話題となりました。
そんな中、2006年初夏に「朝時間.jp」がオープン。一日のスタートである朝を楽しく、わくわく、気持ちよく過ごすことで、自分らしく豊かなライフスタイルを実現したい…そんな方のための情報サイトとして、健康的で豊かな朝の過ごし方を提案し始めました。
(オープン当時のトップページ)
食・美容・健康など幅広いジャンルの特集や、朝ごはんレシピ、世界の朝レポーターが現地の朝の様子を届ける「ワールドモーニングフォトクリップ」(現:世界の朝)や、ユーザー参加型の朝専用ダイヤリーツール「ひとこと朝宣言」などを展開。
2007年には、人気の朝ごはんコンテンツをまとめた書籍『朝時間.jp わくわく朝ごはん – 1000万アクセスの人気サイトから届いた超カンタンレシピ』を刊行しました。
(以降も9冊の書籍やCDを発売)
【2008年】朝活の認知度アップ!朝カフェ文化の幕開け
朝時間.jpの読者さんは右上がりに増加し、朝型ライフスタイルの高まりを感じる中、「朝活」という言葉の認知が一気にアップしました。
アサヒ飲料株式会社が実施した第2回 「現代ビジネスマン 朝の生活実態調査」では、「3人に1人が朝を上手に活用できている“朝活(アサカツ)”族」と発表されています。※朝活族:朝の時間を上手に活用できている(と感じている)現代ビジネスマンの総称。
出典:アサヒ飲料株式会社第2回 「現代ビジネスマン 朝の生活実態調査」
世界一の朝食を食べに早起き!
2008年3月、海外メディアで「世界一の朝食」と絶賛されるオーストラリアの大人気店「bills」が日本上陸。海外第1号店となった七里ヶ浜店は連日大行列。リコッタパンケーキやふわふわのスクランブルエッグが大人気。
また、朝活第一人者である池田千恵さんが、高級ホテルに朝食を食べに行く会「早朝グルメの会」を開始したのもこの頃です。
これまでのホテルや旅館に宿泊して食べる朝食や、喫茶店やチェーン店のモーニングとはまた違う、おしゃれなカフェやホテルに美味しい朝ごはんを食べに行く、朝食を食べるために早起きするという文化が芽生えはじめます。
朝時間.jpでは、そんなbillsの絶品朝食を自宅で味わえる、特集記事「『世界一の朝食をつくる男』伝授! シンプル&簡単でプロの味が楽しめる朝ごはんレシピ」を公開。
人気3レシピの公開とあわせ、ビル・グレンジャー氏の朝時間についても教えていただきました。
【レシピ】スクランブルエッグ、リコッタパンケーキ、スイートコーンフリッターのレシピ「世界一の朝食をつくる男」が伝授! billsの味が楽しめるレシピ公開(https://asajikan.jp/article/62378)
【2009年】朝活の定着。自分磨き文化の強まり
「丸の内朝大学」オープン
2006年から朝の単発イベントを開催していた「朝EXPO」が、複数回の講義スタイルへと進化して2009年「丸の内朝大学」として開校。早起きして学びに行く、朝活で自分磨きをするという文化がより強くなります。また、これまでの1人の朝活ではなく、同じ場に集まり朝活をする同士、朝活仲間も生まれるように。
2009年7月、池田千恵さんが書籍『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』を出版されロングセラーに。
【2010~2013年】 朝食の名店が続々オープン!朝食女子ブーム
bills上陸後パンケーキブームが続く中、2010年頃から続々と朝食の名店やカフェがオープンします。パンケーキやフレンチトースト、エッグベネディクトなどおしゃれなモーニングが楽しめるカフェは、連日行列となる大人気に。
- 2010年:ハワイで大人気の「エッグスンシングス」や、「グッドモーニングカフェ」
- 2012年7月:ハワイで最もおいしい朝食と称される「カフェ・カイラ」
- 2012年11月:ニューヨークの朝食の女王と呼ばれる「Sarabeth’s(サラベス)」
- 2013年8月:ニューヨークでNo.1と評価される「クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー」
など、海外の有名人気店が多数日本上陸。
【参考】
・早起きしてレッツ・ゴー♪原宿・表参道エリアで大注目のパンケーキショップ3選
・NYの朝食の女王「サラベス」上陸記念☆2012年日本初上陸のパンケーキ屋さん3選
・パンケーキ激戦区!青山・表参道のおすすめパンケーキ店Vol.2
この他、ハワイの朝食の定番アサイーボウルやスムージー、グラノーラもブームとなり、2013年、日本初のシリアル専門店「Good Morning Tokyo」がオープン。
漫画やドラマ化もされた「朝食女子」
2012年5月号の月刊コミック@バンチ(新潮社)で、漫画『いつかティファニーで朝食を』の連載がスタート。4人の女性たちが恋や仕事に悩みながら頑張って生きる姿と共に、毎話実在するお店で朝食を食べるシーンが描かれる物語。漫画からドラマ化もされ、朝ごはんを楽しむ「朝食女子」という言葉も聞かれるようになり、朝ごはんを外で楽しむスタイルがより身近になりました。
・漫画「いつかティファニーで朝食を」作者 マキヒロチさんの朝の過ごし方( https://asajikan.jp/article/879 )
(『いつかティファニーで朝食を』(新潮社)全14巻/ 巻末では朝時間.jpから朝食レシピの提供も)
【その他】
2011年:池田千恵さん監修の「朝活手帳」の発売開始。ロングセラーに。
2012年:人気メイクアップアーティスト藤原美智子さん著『美しい朝で人生を変える』発売
残業は朝にする!?「朝型勤務」の導入が話題に
2013年10月には、伊藤忠商事株式会社が「朝型勤務」制度を導入。夜の残業を禁止し、逆に午前5時~午前9時は深夜勤務と同じ割増手当が付き、さらに午前8時までに出社した社員には軽食が無料提供されるように。業界を先駆けた取り組みで「朝型勤務」「朝残業」と話題になりました。
出典:https://career.itochu.co.jp/student/culture/environment.html
【2014年~】Instagramで朝食が話題!エンタメ的朝活で幅が広がる
2014年2月にInstagram日本語版がリリースリリースされ、利用者が急増。朝ごはん写真の投稿が話題になり、ワンプレート朝食やアートのような美しいスムージーなど、おしゃれな朝ごはんが話題となり、書籍も出版されるようになりました。
即フォロー!朝ごはん・朝時間が素敵なインスタグラム5選(https://asajikan.jp/article/13663
ワンプレート朝食が大人気!山崎佳さんインタビュー
・「時間ギリギリ」が苦手だから早起き|山崎佳さんインタビュー(https://asajikan.jp/article/3320)
アートのようなスムージーが話題に!maiさんインタビュー
・不規則な生活の中でつかんだ朝の楽しみ方|maiさんインタビュー
(https://asajikan.jp/article/3669)
また、エッグベネディクトやエッグスラットなど卵料理の新スタイルも注目。
・じわじわブームの「エッグスラット」を作ってみよう!(https://asajikan.jp/article/15846)
「常備菜・作り置き」ブームも始まり、忙しい朝ごはんの支度や、お弁当の準備の時短ワザとしても作り置きが活用されるようになりました。
・お弁当づくりを時短で!作り置きしておきたいおかずレシピ5選(https://asajikan.jp/article/77222)
朝時間.jpではこの時期、書籍『My Favorite BREAKFAST かんたん・おいしい朝食レシピ』を出版。
(『My Favorite BREAKFAST かんたん・おいしい朝食レシピ』翔泳社)
朝ごはんを愛するすべての方に役立つ、読者やプロのシェフによる、簡単でおいしい170もの朝ごはんレシピ、紅茶やコーヒーのおいしい入れ方などを詰め込んでご紹介しました。
エンタメ要素のある朝活が注目!朝時間を楽しむ
2013年にスタートしたクラシックの生演奏が聴ける「朝♪クラ~Asa-Kura~」や、朝食を食べながら演劇を鑑賞できる「朝劇」が話題になり、通勤通学前に踊れる日本初の「早朝フェス®」もスタート。
エンタメ要素のあるイベントなど、朝活の選択肢が広がり、学びや自己研磨の朝活だけでなく、「朝時間を楽しむ」という視点が広がりました。
【参考】
・ロンドン発の早朝フェスで朝からテンションマックス!(https://asajikan.jp/article/64756)
・朝劇下北沢で活躍!関森絵美さん(女優、歌手)朝美人インタビュー
(https://asajikan.jp/article/3828)
【2015年】ジャーサラダや高級トースターが注目!
究極の朝活「エクストリーム出社」が話題に
平日の早朝に観光や海水浴、登山などのアクティビティを楽しんでから、始業時間に間に合うように出社する「エクストリーム出社」や「エクストリーム朝活」が究極の朝活、仕事前のリフレッシュとして話題に。
高級トースターブーム
2015年6月に登場したパン焼き専門トースター「BALMUDA The Toaster(バルミューダ ザ・トースター)」が大ヒット。焼き上がりの格別の美味しさと、2万円台(当時)という高価格帯が話題に。
翌年の「グッドモーニングアワード2016」でも、商品・サービス部門の部門大賞を受賞しました。
・「究極」は本当だった。感動の焼き上がり「バルミューダ ザ・トースター」(https://asajikan.jp/article/105552)
進化系サラダ「ジャーサラダ」や「コールドプレスジュース」
美容、健康志向の強まりから人気が高まった、ガラスの保存容器に野菜とドレッシングを入れる「ジャーサラダ」。また、2014年頃からは女優・モデルさんが取り入れている「ジュースクレンズ」が話題に。コールドプレスジュース専門店が続々オープンしたのもこの時期です。
・美肌&ダイエット!一石二鳥な朝ごはんメニュー(https://asajikan.jp/article/18774)
手軽に手作り本格パン「ちぎりパン」
(料理研究家・管理栄養士の五十嵐ゆかりさん「カボチャとレーズンのちぎりパン」)
初心者でも作りやすい本格パンとして話題になったのが「ちぎりパン」。かわいい見た目と食べやすさが魅力で、朝ごはんメニューとしても大人気。SNSでも多く拡散されていました。
・料理研究家さんに教わる簡単「ちぎりパン」レシピまとめ(https://asajikan.jp/article/84703)
朝の“時短美容アイテム”が登場
2015年4月発売の朝用マスク「Saborino(サボリーノ)目ざまシート」が発売され、朝の時短美容アイテムとして話題に。
・朝の美容・健康にはコレ!朝美人さん達の朝習慣&おすすめアイテム(https://asajikan.jp/article/84598)
朝時間.jp大リニューアル・アプリリリース
2015年5月に朝時間.jpが全面リニューアル。コンセプトは「いつもの朝も、とくべつな朝も」。8月にiOSアプリをリリースし、アプリ限定機能として「ひとこと朝宣言」が復活。「公式 朝美人アンバサダー」プロジェクトもスタートしました。
【2016年】「朝活の日」制定!具沢山サンドイッチが話題
具だくさんの「わんぱくサンド」
Instagramが国内に浸透し、#朝時間や#朝ごはんの投稿が盛り上がります。具だくさんのサンドイッチ「沼サン」や「わんぱくサンド」が話題。その断面は萌え断と呼ばれ、1品で満腹になれる朝ごはんメニューとしても人気に。
(写真:おがわひろこさんの連載「ラクうま♪朝のサンドイッチ&トースト」より)
【参考】
・インスタで話題!具だくさん「わんぱくサンド」初級編レシピ(https://asajikan.jp/article/99426)
・これ一品で大満足♪満腹サンドイッチレシピ5選(https://asajikan.jp/article/100753)
この他、甘酒が栄養や美肌効果の高さから多くの美容雑誌で取り上げられたり、美容家が朝に愛飲しているということで大ブームに。
朝時間.jp10周年「朝活の日」制定、「グッドモーニングアワード」創設
サイト10周年を記念し、朝の時間を豊かにすることに貢献されたヒト・モノ・コトを、表彰する「グッドモーニングアワード」を創設。第3の主食と言われるグラノーラの代表商品「フルグラ」が総合大賞を受賞しました。
また、8月4日の「朝活の日」制定、書籍『朝時間.jp人気ブロガーの大好評朝ごはん』発売、朝カフェの期間限定割引「モーニングパスポート」、渋谷MODIでのポップアップショップ展開など、様々な周年イベントを展開しました。
【参考】
・グッドモーニングアワード2016 結果発表(https://asajikan.jp/gma2016)
・「朝時間.jp10周年」記念特集(https://asajikan.jp/10th-anniversary)
また、この年の9月には現在も大人気の朝活コミュニティー「朝渋」がスタートしました。
【2017年】快適通勤を推進!一汁一菜で気負わない食卓
通勤ラッシュを回避する「時差出勤」の推奨
東京都が働き方改革のひとつとして、通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらす時差出勤を推奨する「時差Biz」がスタート。7月6日時点で約230社が「時差Biz」へ参加し、各企業が時差出勤やフレックスタイム、テレワークなどを導入し、いつでも誰でもどこでも働きやすい環境づくりを目指して取り組みをはじめました。
仕事を快適にはじめよう!通勤ストレスを解消するアイデア5つ(https://asajikan.jp/article/126935)
料理が負担にならない「一汁一菜」な朝ごはん
2016年に発売された料理研究家・土井善晴さんの書籍『一汁一菜でよいという提案』がベストセラーに。一汁一菜で気負わずに楽しむ、新しい食と暮らしの提案され、朝ごはんの献立としても注目。
・これなら続けられる♪「一汁一菜」朝ごはん献立パターン3例
(https://asajikan.jp/article/139515)
また、塩パンやコッペパンが大注目。チェーン店での取り扱いや専門店も続々オープンしました。
朝時間.jpでは、第2回「グッドモーニングアワード」開催。この年の総合大賞は「森永製菓 甘酒」。この他、朝型勤務、朝ベジ、俺のベーカリー、airCloset(エアークローゼット)、ホテル朝食、眉ティントなどが受賞しました。
また、朝時間.jpLINE公式アカウントがスタート。
【2018~2019年】働き方改革として朝時間活用
2018年に働き方改革関連法が成立、2019年4月より施行。労働生産性の向上やワーク・ライフ・バランスの実現に向け、個々の事情に合わせた多様な働き方も求められるようになり、早朝出社や朝残業など朝時間の活用が注目されはじめます。
また、外食・中食(なかしょく)の朝食市場は、2018年に金額市場規模で1兆97億円で、前年比+1.0%成長。特に外食業態では+2.0%と増え、会社員が平日にイートインやコンビニなどで買ったものを職場で食べる機会が増えているという結果に。
出典:<外食・中食 調査レポート> 伸びる朝食市場規模 会社員週日利用がけん引(エヌピーディー・ジャパン株式会社)
・第3回「グッドモーニングアワード」開催。忙しい朝の家事が時短になる、お掃除ロボットや、スマートスピーカー、塩パン、コッペパン、ダイソンドライヤー、リファカラットなどが受賞しました。
・2018年10月に朝時間.jp 公式LINEアカウントのお友だち数100万人突破(2022年12月現在はお友だち数174万人)。2019年には朝時間.jpのAndroidアプリをリリースしました。
【2020~2021年】コロナ禍で健康志向の高まり!
コロナウイルス感染症の蔓延で、在宅勤務などのリモートワークや時差出勤が導入され、在宅時間が増えたことで朝時間の使い方にも変化が見られました。
朝に余裕ができたことや、健康意識が強まったことで、朝食を食べていなかった人がしっかり食べるようになったり、今までより少し手をかけた料理をするように。免疫力を高めるための発酵食にも注目が集まりました。
また、おうち時間の充実としてパンやお菓子作りが人気となり、手軽に作れる「ホットケーキミックス粉」は何ヶ月も品切れが続いたほど。2020年朝時間.jp人気記事ランキング1位もホットケーキミックスのレシピでした。
・2020年「朝ごはんレシピ」まとめ記事年間ランキング発表☆(https://asajikan.jp/article/195350)
運動不足解消としては、ランニングや散歩も人の少ない朝に行うように。定番のヨガもオンラインレッスンが増えて気軽に自宅で受講できるようになりました。朝時間.jpの読者アンケートでも「コロナ禍がきっかけで始めた新しい朝の習慣」として、1位散歩、2位筋トレ、3位ヨガと体を動かすものが上位を占めました。
また、コロナ禍でユーザーが急増したYouTubeでは、毎朝の過ごし方を紹介するモーニングルーティン動画が大人気になっています。
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15年間の朝時間の振り返りいかがでしたか?
朝時間.jpではこれからも、一日のはじまりの「朝時間」を楽しく、心地よく過ごすヒントをお届けしていきます。これからもよろしくお願いいたします!