【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.16 忘れていた約束

 

【朝の恋愛小説】 Vol.16 忘れていた約束

誠士からの誘いは、もちろん断った。

不思議なことに、誠士は諦めなかった。
その翌日の金曜日の夜、飲みにいくことになった。

なんだか、忙しい。
でも、私の頭の中の9割を占めるのは、藤井君だ。
ちょっと誠士のことが気になっていたなんてすっかり忘れてしまっていた。

「なんで勝手に決めちゃうんですか」

今度は、裕太君からメッセージだ。

「ごめんなさい!トレーニング後だから大丈夫かと思って」

ウソをついた私。すっかり忘れていただけだ。

「ぼく、倫太郎さんの次もセッションがあるんです。終わったらいきますから、絶対終わらないでくださいね」

ぼく、だなんてかわいい。
文章もめちゃくちゃだけど、なんだか憎めない子だ。

わたしは、この間の出会いから、体温が高いみたいだ。
朝もスッキリ早く起きられる。
10年前もそうだった。
朝練で藤井君に会うのが楽しかったから。

朝練がない今の私。
そうだ、朝ご飯充実させよう。明日の朝は、これにきまり!
ふわふわフレンチトースト

朝美人になるのなんてカンタン。
恋をすることなのよ。

どこかのCMのコピーみたいな言葉の応酬が脳内で繰り広げられ、にんまりする私。
もう、恋に落ちていた。

そこに、雪乃からのメッセージが届いた。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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Nice to meet you!

朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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