【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】vol.4 明日は、早く起きれそう

 

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ひざびさに、心臓がドキッとした。
心臓だって筋肉だから、筋肉痛になるんじゃないかってくらい。

でも、次の呼吸の瞬間には、心臓も脳も落ち着きを取り戻し「これは仕掛けだ」と、平常心を取り戻すことに成功した私は、ちょっとニヤけながらハートが大量についたスタンプを送ってみた。誘いに乗ったら、からかうのだろうから先手を打った。

イケメン単細胞で苦労したことのない誠士に、返しが難しいかなとニヤっとして前を向いた瞬間

「お前、本気にしたのか?」

その声の主は・・・。自分の脇の甘さに呆れる。

誠士は、同期総合職の星だ。一般職と総合職は出会うことがないけれど、同期が企画する飲み会などで親交を深めあうことがある。

誠士とは飲み会で知り合ったが、2年前同じ支店の勤務になって、ビル内ですれちがったり、誠士が後方業務の担当と話をしていたり、顔を合わせることが増えた。
あんな調子で、よく取引先でミスしないものだ。女心は読めなくても、取引先の心と数字は読めるのね。

高らかに笑い出した誠士に、また正常心を取り戻した私は、踵を返してロッカールームへ駆け込んだ。

「本気にするわけないでしょ!」

とだけ送って、スマホをロッカーに投げつけ、窓口に戻った。あとから、少し笑いがこみ上げる。
何があったわけではないが、なんとなく明日は、早く起きれそうな気がした。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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