今日のカフェボンボンは、山田詠美の『無銭優雅』。
大人の恋のスパイスがたっぷり効いた恋愛小説です。
『無銭優雅』
著者:山田詠美
出版社:幻冬舎
四十代の男女の恋愛小説ときくと、どうしてもドロッとした印象が頭をよぎるけれど、この小説の主人公、栄と慈雨の恋はそういうものとは全く違ったところにある。
貪欲でピュア、死はすぐそばにあるのは覚悟のうえの軽やかな日常。こんなにも慈しんで、甘やかし合う栄と慈雨を見ていると、短い一生だもの、とことん甘え合ってもいいんじゃない?、と思えてくる。
ふたりは“好き”という言葉を惜しみなく使う。二十代でも三十代でもない、四十をとっくに過ぎているからこそできることなのかもしれません。
夕暮れ時、栄と慈雨は、川のほとりを手をつないで散歩する。“私たちは、わざと日の落ちた時刻を選ぶ。身を寄せ合う大人の気持ちを、より引き立てるために。”寝床に行き着くまでどこまでもふたりは歩き続けます。
本のお供には、小説の1シーンにちなんで、おからとウォッカなんていかがでしょう。おいしゅうございますなんて言いながら、強いお酒でほろ酔い気分。たまにはこんな静かで親密な時間を過ごしたいなー。
読み終えたあとは、きっと心が甘くざわつきます!
Love, まっこリ〜ナ
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