今日のカフェボンボンは、『放課後の音符』。
17歳の女子高生たちの放課後を描いた8編。山田詠美のきらめくような恋愛小説集です。
『放課後の音符(キイノート)』
著者:山田詠美
出版社:新潮社
音符と書いてキイノート。シーツのしわが五線紙。彼女たちが奏でる旋律は甘くて切ない? いいえ、狂おしくてやけどしそうに熱い。
放課後の過ごし方にも恋にも決まった形なんてない。この本の女の子たちは、17歳にしてそのことを知っている。まわりからどう見えるなんて気にしないし、本当に幸福なら人に見せびらかしたりしなくていい。
『Body Cocktail』の大人びた少女カナ。彼女は「自分と自分の男の人たちのことを、吹聴したりはしない」のです。カナのソックスは足首のアンクレットを隠すため。見せるのは男の人と会う時だけ。それはシーツの上で揺れるはず……。
まだ本当の恋を知らない『Sweet Basil』の主人公は気づく。足りないのは匂い、恋の匂いもスパイスのひとつなのだと。誰にも知られなくていいと思う恋を知った時、初めて彼女たちは甘い匂いを放ち始める。
読むたびに感覚が敏感になる本。
17歳だった頃、私は今より大人だったかも。
Love, まっこリ〜ナ