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山田詠美のきらめく恋愛小説集『放課後の音符』

 

今日のカフェボンボンは、『放課後の音符』

17歳の女子高生たちの放課後を描いた8編。山田詠美のきらめくような恋愛小説集です。

20140407

放課後の音符(キイノート)
著者:山田詠美
出版社:新潮社

音符と書いてキイノート。シーツのしわが五線紙。彼女たちが奏でる旋律は甘くて切ない? いいえ、狂おしくてやけどしそうに熱い。

放課後の過ごし方にも恋にも決まった形なんてない。この本の女の子たちは、17歳にしてそのことを知っている。まわりからどう見えるなんて気にしないし、本当に幸福なら人に見せびらかしたりしなくていい。

『Body Cocktail』の大人びた少女カナ。彼女は「自分と自分の男の人たちのことを、吹聴したりはしない」のです。カナのソックスは足首のアンクレットを隠すため。見せるのは男の人と会う時だけ。それはシーツの上で揺れるはず……。

まだ本当の恋を知らない『Sweet Basil』の主人公は気づく。足りないのは匂い、恋の匂いもスパイスのひとつなのだと。誰にも知られなくていいと思う恋を知った時、初めて彼女たちは甘い匂いを放ち始める。

読むたびに感覚が敏感になる本。
17歳だった頃、私は今より大人だったかも。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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