今日のカフェボンボンは、愛のかなしみを描く『私的生活』。
田辺聖子の最高傑作といわれる恋愛小説。ヒロインのデザイナー・乃里子を主人公にした三部作の第二弾です。
『私的生活』
著者:田辺聖子
出版社:講談社
乃里子三部作『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら』。私はずっとこのシリーズのとりこになったまま。自由奔放な乃里子の生き方に魅了されつつ、その実、純情可憐なところがかわいくて。
乃里子33才。年下の御曹司・剛と結婚して3年がたち、海の見えるマンションでの豪華なくらしにもすっかり慣れた。乃里子にぞっこんの剛との恋愛ごっこのような結婚生活は楽しい。だけど……。
乃里子は剛との満たされた生活を「贅沢」と表現するけれど、「幸福」と呼んだことはない自分に気づくのだった……。
読み返すたび乃里子に共感し、彼女をとりまく男たちを好きになる。剛は傲慢でやきもち焼きで、ほんとにしょうもないとこもある男だけど、とことんつき合ったり愛想つかしたりしてみたい。聖子さんの描く愛すべき人物みんなに会ってみたいと思う。
「話しやすそうな、というのは、もしかしたら天性の性的魅力のことじゃないかしら?」「秘密をもつなんて、オトナの資格や」ページのあちこちに、こんな名言が散りばめられています。
秋の夜長、恋愛小説三部作にゆっくり浸ってはいかがでしょう?以前ご紹介した第一弾『言い寄る』も合わせてどうぞ。
ステキな週末を!
Love, まっこリ〜ナ
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