今日のカフェボンボンの本棚は、『この人と結婚するかも』。
男の人と出会った瞬間「この人と結婚するかも」といつも勘ちがい。『漢方小説』の著者・中島たい子が、28歳独身女性の恋と妄想を描きます。
『この人と結婚するかも』
著者:中島たい子
出版社:集英社
私、この人と結婚することになるかもしれない。男の人と出会うたび節子はそう直感する。やさしく声をかけられただけで、シャイな感じで微笑まれただけで、頭の中はもう結婚!
昔からそうだった。でもいつもハズレてばかり。「私の直感はいつもアタらないってこと。それだけ。」もう勘ちがいを続けるのはよそう。イタイ妄想を抱かないと節子は固く決意するのだけれど……。
ビビッと強く感じて恋におちるわけではない。運命の人を待つ夢見る乙女でもない。結婚するかもと思っているだけで恋する前に終わってしまう。
でも、これってほんとに妄想? けっこう私もそういうとこあると思う人も多いはず。節子の直感に共感しちゃう。そこがこの小説の面白いところ。彼女のじれったい恋を応援したくなるのです。
もう一編の収録作品『ケイタリング・ドライブ』の主人公は、勘ちがい男の料理研究家。こちらは仕事でも恋でも大勘ちがい。どこまでも妄想が止まりません!
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>