【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】Vol.2 親友とのキョリ感

 

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誠士の方が、よっぽどニヤニヤしながら、

「おっ、かなり薄化粧ですが、朝帰りですか?」

イケメンを活かして、もっと爽やかに出来ないものなのか、こんな感情にも、もう飽きた、飽きた飽きた!

誠士を無視してロッカーにダッシュ。

「おい!萌乃って名前らしく、可愛らしくなんないのかね?」

だったら、あんたも・・・心の中でつぶやく。あ、このくだりも、じぶん劇場のなかじゃ、定番シーンだ。まったく、同じことを繰り返してばかり。

我ながら手際はいい。9時になり、お客様を迎える。

「8番のカードをお持ちのお客様、こちらの窓口へどう・・・」
「雪乃!」
「ども、びっくりした?」
「どうしたの?会社は?」
「辞めたの。で、新しい取引先がここの口座作って欲しいって」

雪乃は新規口座の書類を差し出したあと、髪の毛を頻繁に触っている。10年以上の付き合いだけど、これ以上踏み込まない方がいい時の合図。これも、もうプログラミングされていることだ。

「少々お待ちくださいね」

雪乃は笑顔で去っていった。萌乃も笑顔を返す。

親友のことも、多少は心配するけど、もう驚きはない。大昔、初めての恋人との別れはお互い涙しながら慰め合ったし、あんなに喜んで入社した会社をたった半年で辞めた時は心配したけど・・・。

昼休みにスマホを見ると、LINEのアプリに2の数字が赤く光っている。

1人は、雪乃。そして、もう1人は誠士だ。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた翌日!)

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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