【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.6 彼の本音は

 

Vol.6 彼の本音は・イメージ

「ホントのこと言うと、オレは本気だったんだ。ま、今度な」

心臓が勝手にドキドキしているけど、考えるのが面倒だ。適当に「うん、またね」と返す。なかなか既読にならない。総合職は忙しい、よく分かっていること。

職場に着いて、上司や同僚にひと通り謝りを入れると誠士のことはすっかり忘れていた。

そうだ、今日はフラワーアレンジメントの日だ。大好きな花、ローズを使うって言ってたから楽しみ。

「58番の番号札をお持ちの方、こちらの窓口までどうぞ」

20歳そこそこかな?と思う若い男性がやってきた。下を向いたまま話はじめようとして、顔を前に向けた途端、急に動揺しはじめた。

「あ、あなたは・・・」

「どうかなさいましたか?」

「あ、いえ、なんでもないです。口座を作りたいのですが」

こんなことは日常茶飯事。美人だと、窓口でいろんなことが起こるらしい。私も20代前半の時は、名前を覚えられたり、どこかで会ったことは?と聞かれたりすることもあった。

ちょっと期待した自分も少し情けないなあと、くすっと笑った瞬間。

「あの、また来ます」

なんだか久しぶりの感覚にドキっとさせられた。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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