【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.7 自分勝手な感情

 

Vol.7 自分勝手な感情・イメージ

職場からフラワーアレンジメントの教室まで歩く。アテンションもついていないのにLINEを立ち上げてしまう。
誠士からの返信は、ない。既読になっているのに。

その瞬間、思い出した。

「雪乃に返信していない!」

流石に、2日も返信していないのは失礼だ。

一生懸命、言い訳の文面を考える。「歩きスマホ」はいけないと思いながらも、今は友情を守るための大事な時だからと言い訳をする。女って身勝手なものだ。

「ご、ごめんなさい」

や、やっちゃった。マナーも悪いアラサーなんてみっともない。

「こちらこそ、すみません。スマホ持ちながらで不注意でした」

良い声で丁寧に謝ってきた、ぶつかった相手。それは、昼間、口座を作りに来た彼だった。

「あ、今日口座を作りに来てくださった・・・」

「その件は、本当にすみません」

平謝りをする男性を見て、なんだか申し訳なくなったわたしは、

「いえいえ、こちらこそ。では」

スマホをしまって急いで歩き出した。ごめん、雪乃。やっぱり後で、と心の中で謝りながら。

「ちょっと待ってください」

その男性は大声で叫んだ。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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