【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.19 仕事ができるひと

 

【朝の恋愛小説】 Vol.19 仕事ができるひと
わたしたち2人の心を鷲掴みにしただけのことはあって、藤井君のトークは流石だった。

こちらのわだかまりのことも忘れるくらい、面白かった。

サッカー部の主将だった伊藤くんが、今は頭に髪の毛がないとか、
副将の石田くんは、お嫁さんの尻にしかれているとか、
まとめてしまえば取るに足らない話なのに、どれもこれもお腹が痛くなるほど。

さっきもらった名刺には、有名外資系投資銀行のロゴと、ヘッドディレクターという肩書きが踊っていた。
係長みたいなものだよと言って笑っていたが、仕事の出来る人だというのは、手にとるように分かる。

お酒を進めるタイミングとか、料理が届いた時の振る舞いも完ぺきだ。
私たちが席を立って返ってきたら、もう会計は済まされていた。

雪乃と2人で、それは悪いからと何度言っても
いいのいいの、と言って取り合ってくれない。

店を出ようとした瞬間に、あっけらかんとした顔の裕太がやってきた。

「え、終わっちゃったんですか〜」

なんと間の悪い人なんだ、と3人して笑っていたら、

「立川」

酔っぱらって笑っていた藤井君が、急に私の名前を呼んだ。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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