【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.18 大人のフリ

 

【朝の恋愛小説】 Vol.18 大人のフリ

大人になったフリは、うまい。

こんな感じの回答を期待してるよね?
って確信犯。

めざましのアプリをセットする。
毎日ちゃんとアラームの曲を聞くって決めたのだから。

言うことと言わないことのバランス。
自分がぶれないように、そのバランスを保つよう意識している。もう大人だから。

でも、本当は保ててなんかいないと気付いている。
バランスを気にしているってことは、自分がふらついているってことだ。

次の日。
起きたときには、めざましのPUCH通知のポップアップがいくつも、画面に表示されていた。
いつか、朝起きるのが楽しみな毎日がやってくるはず。
私には、わだかまりが残ったまま、木曜日がやってきた。

私と雪乃は最初に待ち合わせて2人で先に乾杯。
ガラっと飲み屋のドアの音がするたび雪乃が反応するのが分かる。
同時に、私の心は沈んでいく。

5回目のガラっという音の後、少し赤らんだ顔の藤井君が入って来た。
やっぱり格好いい。雪乃はどんな顔をしているのだろう。

「お待たせ!久しぶり」

藤井君は顔色ひとつ変えず、私たち両方を見た。

「雪乃も立川もほんっと変わんないな」

雪乃・・・

私がびくっとしてしまったことに、雪乃は気付いただろうか。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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