今日のカフェボンボンは、懐かしい詩に再び出会える本を。
朝時間を愛するみなさんにぴったりの詩、室生犀星の「朝を愛す」も収録されています。
ずっと昔におぼえた詩のフレーズが、自然と口をついで出てくる。詩ってむずかしいようでいて単純なふしぎなもの。子供心にそんな印象を持っていたと思う。
太郎や次郎の屋根に雪が降るとか、きっぱりと冬が来たとか、竹、竹、竹が生えだとか、とてもシンプルで思い切りがいい。それでいて意表をついている。だからずっとずっと先まで記憶に残るんでしょうね。
あらためて読むと、詩の一節が鮮やかによみがえって心に突き刺さる。
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた(高村光太郎の『智恵子抄』より)
中学生の頃、こんなかなしい詩をどんなふうに受けとめていたのかな。「レモン哀歌」を読みながらまた泣いてしまった。
名詩の「朝時間」は、ジャン・コクトーの詩「耳」。
私の耳は貝のから
海の響をなつかしむ
『教科書でおぼえた名詩』
出版社:文藝春秋
Love, まっこリ〜ナ