今日のカフェボンボンは、『長田弘詩集』。
大きな木、夜明け前の鳥の声、ハチミツやブドー酒、朝の食卓。
生きるよろこびは、すぐそこにあると感じる詩集です。
大好きな詩集に「朝」を見つける。
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それはいつでもきみの目の前にある。
ベーコン・エンド・エッグスとトーストの
きみの朝食のテーブルの上にある。(「テーブルの上の胡椒入れ」より)
いつも読み返すのは、「何かとしかいえないもの」という詩。
それは日曜日の朝のなかにある。
それは雨の日と月曜日のなかにある。(「何かとしかいえないもの」より)
“何かとしかいえないもの”ってなんだろう?
もやにけぶる雨の朝、見つけたと思った。
それは光や色や匂いにふっと感じるもの。
誰かの声やまなざしのなかにも見つけると、
ドキドキして胸が弾む。
何かとしかいえないものは、いちばんその人らしい部分。
寝癖のついた髪や目尻のしわも。
言葉にしたらきっと消えてしまうなにか。
詩のしめくくりは一杯のコーヒー。
“それはきっと二杯めのコーヒーのなかにある。”
Love, まっこリ〜ナ