今日のカフェボンボンは、『落ちこぼれ』。
詩人・茨木のり子の心揺さぶる詩集です。「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」「倚りかからず」「落ちこぼれ」など33篇を収録しています。
『茨木のり子詩集 落ちこぼれ(詩と歩こう)』
著者:茨木のり子/画:はた こうしろう/選・著:木内喜久雄
出版社:理論社
茨木のり子詩集の中でもこの本に魅かれるのは、はた こうしろうさんの挿し絵のせいかもしれない。詩と詩のあいだに子どもたちが踊る。生き生きと、まっすぐな心で、落ちこぼれなんていないさって笑ってるように。
だけどどうしてかな。子どものそばにはトランクや麦わら帽子があって、彼らはどこか遠くに行こうとしているみたい。
はじめての町に入ってゆくとき
わたしの心はかすかにときめく
(「はじめての町」より)
はじめての町の見なれぬ山や川に、パミール高原に、粉雪や鶴の羽ばたき、マザー・テレサの瞳に、茨木さんは「澄んだもの」を見て詩を書き続けた。まっさらなものたちに出会える詩集です。
「朝時間」にお届けしたい言葉は、「汲む」の一節から。
大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
Love, まっこリ〜ナ