今日のカフェボンボンの本棚は、文庫で楽しむ外国文学の特集を。
外国文学を読む醍醐味は、日常を軽々と超えた物語と出会えること。刺激的でロマンティック、ときには奇想天外な世界へ。しゃれた装丁の文庫を片手に、外国文学への扉を開けて!
南仏の太陽がまぶしい
愛と悲しみのストーリー。
あの夏、わたしは17歳で、文句なく幸せだったーー。パパとその愛人と海辺の別荘で幸せなバカンスを過ごすセシルだったが…。父親の本気の恋、セシルの若い恋や嫉妬に熱く胸が焦がれる。ジーン・セバーグ主演の映画版もぜひ。
『悲しみよ こんにちは』
著者:フランソワーズ・サガン/訳:河野万里子
出版社:新潮社
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現実と空想がとけ合う
奇想天外な短篇集。
小鬼と人魚、火の手と氷の手をもつ少女たち、人間から逆進化する恋人。「溝への忘れもの」では戦争で唇を失った夫への深い愛と悲しみを切なく描く。風変わりな物語の向こうに、心がひりつく愛の姿が透き通るように見えてくる。
『燃えるスカートの少女』
著者:エイミー・ベンダー/訳:菅啓次郎
出版社:角川書店
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ノーベル賞作家の
幻想に満ちた物語。
コロンビアの作家ガルシア=マルケスの傑作短篇集。流れ着いた美しい水死体は女たちの心を奪い、砂漠の風が無垢な少女の不運の元となる。南米の地に深く根ざした物語に立ち込める匂いや熱い空気が、登場人物の運命を暗示する。
『エレンディラ』
著者:G・ガルシア=マルケス/訳:鼓直・木村栄一
出版社:筑摩書房
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甘くて詩的な
西瓜糖の世界で。
ブローティガンの傑作。西瓜糖でできた村に現代社会を映し出し、ヒッピーのコミューン的な場所に住む人々の愛と平和を幻想的に描く。曜日ごとに違う色で輝く太陽、西瓜糖の匂いを放つドレス。甘くメランコリックな世界の虜になる。
『西瓜糖の日々』
著者:リチャード・ブローティガン/訳:藤本和子
出版社:河出書房新社
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イタリアの作家が紡ぐ
至福のショートショート。
イタリア全土を旅するセールスマンが、毎晩電話で娘に聞かせたお話という設定。子供も王様も地球を軽やかに飛び出す。ウエイター見習いはお盆にビールをのせたままジャングルや金星へ。自由で幸福なロダーリの読書体験を味わって。
『パパの電話を待ちながら』
著者:ジャンニ・ロダーリ/訳:内田洋子
出版社:講談社
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電気器具が大活躍!
キュートなSFメルヘン。
伝説的名作『歌の翼に』で有名な作家がユーモラスに描く、トースターや掃除機の大冒険。森の別荘に残された電気器具たちが寂しさを募らせ、遠くの町のご主人のもとへ。勇気と友情で困難を乗り越えて進む、健気なみんなに胸キュン。
『いさましいちびのトースター』
著者:トーマス・M・ディッシュ/訳:浅倉久志
出版社:早川書房
各作品、詳しくはこちらの記事をどうぞ。
*『悲しみよ こんにちは』
*『燃えるスカートの少女』
*『エレンディラ』
*『西瓜糖の日々』
*『パパの電話を待ちながら』
*『いさましいちびのトースター』
ラブ&ピースな一日を♥
Love, まっこリ〜ナ
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