今朝のカフェボンボンメニューのおすすめは、『いさましいちびのトースター』。
トースターたち電気器具が大活躍する、とってもかわいい物語です。
『いさましいちびのトースター』
著者:トーマス・M・ディッシュ/訳:浅倉久志
出版社:早川書房
みなさん、お盆はいかがお過ごしでしたか? 休み明けのちょっとハードな朝にほっとひと息つけるような、心温まるユーモラスな本を選びました。
物語の主人公は、森の小さな夏別荘に取り残された電気器具たち。だんなさまのいた頃は、とても幸せでした。目覚ましラジオは音楽を奏で、トースターはこんがりとパンを焼き、電気毛布は寒い夜を暖めていたのに……。
さびしさを募らせた電気器具5台、若くて元気なトースターや働き者の掃除機たちは、みなそろって別荘を飛び出し、遠くの町のだんなさまをたずねることに。大冒険の旅へ、いざ!!
といっても、小さい電気器具ですから、大それたことはできません。勇気と知恵と友情でもって困難を乗り越え、少しずつ進んでいくんです。みんな、本当にひたむきでがんばりやさん!
電気器具の「朝時間」は、目覚ましラジオやトースターが、張り切って役目を果たす朝。
本のお供には、キツネ色にカリッと焼けたトーストを。トースターに毎朝の感謝の気持ちを込めて……。
著者のトーマス・M・ディッシュは、アメリカ人のSF作家で、伝説的名作『歌の翼に』や詩集など数々の作品を残しました。SFメルヘンといわれる本書では、ローカス賞・イギリスSF協会賞を受賞しています。電気器具たちの健気さがにじみ出た翻訳は素晴らしく、イラストもこの上なくキュートです。
Love, まっこリ〜ナ
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