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銀河の彼方へ『風の十二方位』ル・グゥイン傑作集

 

今日のカフェボンボンは、『風の十二方位』

SF界の女王アーシュラ・K・ル・グウィンの傑作集。代表作『闇の左手』『ゲド戦記』へとつながる作品など17篇を収録しています。

20150512

風の十二方位
著者:アーシュラ・K・ル・グウィン/訳:小尾芙佐・他
出版社:早川書房

舞台は銀河の彼方。時空を超えた物語がロマンティックに語られる。

〈冬〉という名の惑星で、両性具有の若き王が国を治める。魔法の支配する島の洞窟には、まじないのきかない魔法使いがひとり。死んだ惑星の探測基地に送られたのは、10人の美しい男女のクローン。

ル・グウィンの豊かなイマジネーションが、さまざまな暗示に満ちた陰影のある世界へと私たちを導く。短篇「地底の星」では、地下の暗闇で天文学者が星を見つける。暗黒に浮かぶ星、地底に輝く光の群れを。

はるか遠くの惑星や宇宙船での出来事、神話のような物語を、不思議なくらいとても身近に感じます。未知の世界の若き王も魔法使いも探検隊も、いまこの時代に生きる地球の人々と同じ心をもっている。愛し合い、喜びを分ち、苦悩する人間の姿に心を揺り動かされるのです。

以前カフェボンボンでセレクトした『いちばん美しいクモの巣』(みすず書房)『空飛び猫』(講談社)も素晴らしい作品です。おすすめです!

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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