今日のカフェボンボンは、『風の十二方位』。
SF界の女王アーシュラ・K・ル・グウィンの傑作集。代表作『闇の左手』『ゲド戦記』へとつながる作品など17篇を収録しています。
『風の十二方位』
著者:アーシュラ・K・ル・グウィン/訳:小尾芙佐・他
出版社:早川書房
舞台は銀河の彼方。時空を超えた物語がロマンティックに語られる。
〈冬〉という名の惑星で、両性具有の若き王が国を治める。魔法の支配する島の洞窟には、まじないのきかない魔法使いがひとり。死んだ惑星の探測基地に送られたのは、10人の美しい男女のクローン。
ル・グウィンの豊かなイマジネーションが、さまざまな暗示に満ちた陰影のある世界へと私たちを導く。短篇「地底の星」では、地下の暗闇で天文学者が星を見つける。暗黒に浮かぶ星、地底に輝く光の群れを。
はるか遠くの惑星や宇宙船での出来事、神話のような物語を、不思議なくらいとても身近に感じます。未知の世界の若き王も魔法使いも探検隊も、いまこの時代に生きる地球の人々と同じ心をもっている。愛し合い、喜びを分ち、苦悩する人間の姿に心を揺り動かされるのです。
以前カフェボンボンでセレクトした『いちばん美しいクモの巣』(みすず書房)『空飛び猫』(講談社)も素晴らしい作品です。おすすめです!
Love, まっこリ〜ナ
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