今日のカフェボンボンは、イタロ・カルヴィーノの『魔法の庭』。
陽光あふれるイタリアの自然を背景に描くみずみずしい物語。昨日のジャンニ・ロダーリに続き、イタリアを代表する作家の素晴らしい作品をお届けします!
『魔法の庭』
著者:イタロ・カルヴィーノ/訳:和田忠彦
出版社:筑摩書房
海びらきの日、子どもたちが坂道をかけおりてきて、紺碧の海に次々と飛び込んでいく。心躍る瞬間を鮮やかに描き出した「蟹だらけの船」。
線路探検をして遊んでいたジョヴァンニーノとセレネッラが、人影のないお屋敷の庭に迷い込む「魔法の庭」。葉音ひとつしない庭をふたりが不安な気持ちで進んでいくと、やがて澄み切った水をたたえたプールに出る……。
イタリアの風光明媚なリグリア海岸の町や村を舞台にした物語11編は、どれも切ないようなおかしみにあふれています。
「魔法の庭」の「朝時間」は、誰もいない庭に咲き乱れる花。少女が指差す花を少年が摘んでいくと、いつのまにかきれいな花束ができあがっていました。
著者のイタロ・カルヴィーノは、『木のぼり男爵』『まっぷたつの子爵』『くもの巣の小道』などの名作をいくつも残しました。同時代のイタリアを生き、早く逝ってしまったロダーリとカルヴィーノ。もしふたりが生きていたら、21世紀のいまをどんなに暖かな光で照らし出す作品を書いただろうか。
イタリアの陽光と風に輝く物語をぜひ手にとってみてください。
本のお供には、カフェ・コレットをいかがでしょう。エスプレッソにグラッパやアマレット、ヘーゼルナッツなどのリキュールを入れて飲む、イタリアの美味しい飲み物です。ファンタジックな物語が生まれた国にちなんで……。
Love, まっこリ〜ナ
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