今日のカフェボンボンは、『アメリカにいる、きみ』。
ナイジェリア人女性作家がつむぐ傑作ストーリー10篇。最年少オレンジ賞受賞作家のきらめく才能がほとばしります。
『アメリカにいる、きみ』
著者:C・N・アディーチェ/訳:くぼたのぞみ
出版社:河出書房新社
著者の故郷ナイジェリア。この国の苦い歴史が残した不幸の痕跡が、さまざまな形で語られます。その筆致は静かで奥ゆかしく、読者の心にそっと触れてくるもの。豊かで繊細な心を持った登場人物たちに、国を超えて親しみと共感を覚えます。
表題作の「アメリカにいる、きみ」で描かれるのは、希望に満ちてナイジェリアから米国に渡った少女がたどる悲しみ。O・ヘンリー賞受賞作の「アメリカ大使館」は、ナイジェリアの旧首都ラゴスで恐ろしい出来事に見舞われた女性の物語。絶望の淵に立ち、難民ヴィザ申請のためアメリカ大使館前に並ぶ女性の心情を見事に描き切ります。
著者のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェは、イボ民族出身の1977年生まれ。19歳で渡米し大学で学びながら次々と作品を発表。若き才能を開花させます。2007年には『半分のぼった黄色い太陽』でオレンジ賞(英国の文学賞)を受賞しています。
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