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究極の愛と喪失の物語『スノードーム』

 

今日のカフェボンボンは、『スノードーム』

イギリスの人気作家の異色作。心に深い余韻を残す、愛と喪失の物語です。

20141031スノードーム
著者:アレックス・シアラー/訳:石田文子
出版社:求龍堂

若く優秀な物理学者のクリストファーが姿を消した。

彼が残したのは、ガラスのスノードームと一束の原稿だった。原稿に綴られた彼自身とガラスのドームにまつわる不可思議な物語が、彼の失踪の謎も明らかにしていく。

少年クリストファーと画家ロバート。ロバートの恋人で踊り子のポッピー。3人をじっと見つめるガラスのドーム作りの芸術家エックマン。4人の運命が交錯する。

憎しみが生んだ小さなガラスのドームに秘められた恐ろしい秘密。愛が失われ、人の心にモンスターのような感情が生まれたとき、世界はいとも簡単に破壊されゆく。

最後のページを読み終える時には、大切な人にそばにいてほしい。その人が自分と「同じ世界」に住んでいることにきっと感謝したくなると思うから。「同じ世界にいるのは当たり前、大げさなんじゃない?」と思うかもしれないけれど、この物語を読んだあとではそう思えなくなっているはず。

ここに描かれているのはSFの世界の出来事ではなくて、私たちの心の中に生まれる愛や憎しみの物語そのものなのだから。

ハッピー・ハロウィーン!
Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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