今日のカフェボンボンは、『スノードーム』。
イギリスの人気作家の異色作。心に深い余韻を残す、愛と喪失の物語です。
『スノードーム』
著者:アレックス・シアラー/訳:石田文子
出版社:求龍堂
若く優秀な物理学者のクリストファーが姿を消した。
彼が残したのは、ガラスのスノードームと一束の原稿だった。原稿に綴られた彼自身とガラスのドームにまつわる不可思議な物語が、彼の失踪の謎も明らかにしていく。
少年クリストファーと画家ロバート。ロバートの恋人で踊り子のポッピー。3人をじっと見つめるガラスのドーム作りの芸術家エックマン。4人の運命が交錯する。
憎しみが生んだ小さなガラスのドームに秘められた恐ろしい秘密。愛が失われ、人の心にモンスターのような感情が生まれたとき、世界はいとも簡単に破壊されゆく。
最後のページを読み終える時には、大切な人にそばにいてほしい。その人が自分と「同じ世界」に住んでいることにきっと感謝したくなると思うから。「同じ世界にいるのは当たり前、大げさなんじゃない?」と思うかもしれないけれど、この物語を読んだあとではそう思えなくなっているはず。
ここに描かれているのはSFの世界の出来事ではなくて、私たちの心の中に生まれる愛や憎しみの物語そのものなのだから。
ハッピー・ハロウィーン!
Love, まっこリ〜ナ