ぼくたちに必要なのは日の光だ!
8月のある日、ダレル一家は陰鬱なイギリスの夏を逃げ出して、陽光あふれるギリシアのコルフ島に移住する。
変わり者ぞろいの6人家族が大騒動の末たどりついたのは、糸杉に囲まれた苺のようなピンクの家だった……。
今日のカフェボンボンは、『虫とけものと家族たち』。作家の池澤夏樹氏が40年前に訳した、幻の名作が復刊しました!
『虫とけものと家族たち』
著者:ジェラルド・ダレル/訳:池澤夏樹
出版社:中央公論新社
未亡人の母親と兄たちや姉。そして末っ子のジェリー。島暮らしの日々が10歳のジェリーの目を通して語られる。ジェリーは飼い犬のロジャーと島じゅうを探検して歩き、日がな一日、野生の植物や鳥や虫たちを観察して過ごす。
オリーブの木立に彩られた丘や谷、シジミチョウの青をした海。少年の冒険心をじゃまするものはなにもない。ページを開くと、ギリシアの小さな島に一瞬で飛んでいける。ジェリーの足跡をたどっていける。
ダレル一家の「朝時間」は、庭のミカンの木の下でとる朝食。早く探検に行きたくて気もそぞろなジェリーに、母は「ゆっくりお食べなさい」と言う。
こんな幸福な朝と出会える素晴らしい本です。
Love, まっこリ〜ナ