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虫とけものと家族たち

 

BONBON283

ぼくたちに必要なのは日の光だ!

8月のある日、ダレル一家は陰鬱なイギリスの夏を逃げ出して、陽光あふれるギリシアのコルフ島に移住する。

変わり者ぞろいの6人家族が大騒動の末たどりついたのは、糸杉に囲まれた苺のようなピンクの家だった……。

今日のカフェボンボンは、『虫とけものと家族たち』。作家の池澤夏樹氏が40年前に訳した、幻の名作が復刊しました!


20140918

虫とけものと家族たち
著者:ジェラルド・ダレル/訳:池澤夏樹
出版社:中央公論新社

未亡人の母親と兄たちや姉。そして末っ子のジェリー。島暮らしの日々が10歳のジェリーの目を通して語られる。ジェリーは飼い犬のロジャーと島じゅうを探検して歩き、日がな一日、野生の植物や鳥や虫たちを観察して過ごす。

オリーブの木立に彩られた丘や谷、シジミチョウの青をした海。少年の冒険心をじゃまするものはなにもない。ページを開くと、ギリシアの小さな島に一瞬で飛んでいける。ジェリーの足跡をたどっていける。

ダレル一家の「朝時間」は、庭のミカンの木の下でとる朝食。早く探検に行きたくて気もそぞろなジェリーに、母は「ゆっくりお食べなさい」と言う。

こんな幸福な朝と出会える素晴らしい本です。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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