朝の散歩のとき、雲の写真を夢中になって撮っていたら、「クモノシャシンヲトテルノデスカ? オモシロイ!」と声が。自転車に乗って通りかかった外国人の男性でした。
夏の朝、流れる雲、自転車の素敵な外人さん。これだけでハッピーになる。……なんだっけ、この感じ。思い出した。そう、『モンフィーユ』だったと気づきました。
『モンフィーユ』の著者、美術作家の永井宏さんが昨年亡くなってから、大好きだったこの本を開いていませんでした。だけど、これほど「朝時間」にぴったりの本はほかにないと思うのです。ページをめくると、朝のすがすがしい空気を伝える言葉が飛び込んできます。
『モンフィーユ』
著者:永井宏
出版社:アノニマスタジオ
白い山がモンブランなら、葉山は山と葉っぱでモンフィーユ。こんな素敵なことを考えついた永井さん。湘南・葉山の海辺の一軒家で見つけた小さな発見や楽しい思いつきが、風が時おり運んでくれる便りのようにつづられています。
朝早く砂浜の端から端まで残した自分だけの足跡、真新しいシャツの心地よさについての考察、海岸回りのバスから見えるいつもと違う景色、それから、浜辺にブックストアがあればいいね、なんてことも。
モンフィーユの「朝時間」は、海から上がったときに浴びるシャワー。
体にたくさんくっついている太陽の光を洗い流すのだそうです。
本のお供には、冷やした桃をいかがですか。
光と風のにおいのするラブレターがみなさんに届きますように。
Love, まっこリ〜ナ