今日のカフェボンボンの本棚は、『まさかジープで来るとは』。
「こんな大人数なら来なかった」「言ってることは正しいが寝癖」など、又吉直樹とせきしろが詠む型破りでわび・さびな自由律俳句の世界。『カキフライが無いなら来なかった』の第二弾です。
『まさかジープで来るとは』
著者:せきしろ/又吉直樹
出版社:幻冬舎
「八両編成だった」(せきしろ)
「イントロは良かった」(又吉直樹)
一句がスパッと唐突に終わる時、言葉は宙ぶらりんのまま心に引っかかる。
「行けたら行くで来た例しが無い」(又吉直樹)「転んでも泣かなかった子供と目が合う」(せきしろ)ああ、知ってるこの感じと思う。
一瞬、ふっと頭に浮かんだり心をよぎったこと。でも誰かに話したことはない、そんなつぶやきをふたりは句にする。「?」「!」「・・・」に近い心模様が、とてもリアルに感じられるのです。
「廃校にも咲いていた」(又吉直樹)
胸がキュンとなるこの句。咲いていたのは背の高いヒマワリか、色鮮やかなカンナの花か。いつか見た光景を重ね合わせて。エッセイと著者撮影の写真も収録しています。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/author/14/