【朝の小説:シンデレラの朝ごはん】1章「裏通りの午後」Vol.6 告白

 

vol6

「え・・・裕也?」

あまりにびっくりして、センチメンタルな気持ちも一瞬で吹き飛んだ。

「久しぶりって言葉じゃ済まないね」

「ほんと、何から聞いていいか分からないよ」

「元気してた?」

「うん、裕也は、なんだかスリムになったよね」

「あれから20kg減量して。奈美は・・・」

「いいよ、途中まで言ってやめないでよ」

そう、私はあの頃から15kg増えた。

思い出した、私はいま落ち込んでいる。失恋とデブ呼ばわりのダブルパンチだ。裕也の前で深いため息をついてしまった上に、びしょ濡れ状態の私は、流石に先ほどの状況を説明しなくてはならなかった。

ソーダ水を少し口に含んだ後、怪訝な表情をしている裕也に話し始めた。

「あのさ、裕也」

 

(この小説は、毎朝5時更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。

結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。

森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。

近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。

遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。

伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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