「ダイエットの仕方教えてよ」
もう、どうにでもなれ!
唐突な要望に驚く裕也と私のダイエットの奮闘記が始まった。
「そこまで笑うことないでしょ」
「奈美さ、お前もう30だぜ、なに青臭い恋愛してんだよ、美容師の優男に恋するってどうよ」
「ひどい、そういう裕也は舞台女優と付き合ってたじゃない!」
「いつの話だよ!」
裕也に会えて救われた。笑いは、悲しみを消す道具だ。
私たちは、その後真剣にダイエット計画を立てることになった。
20kgも減量し、その後リバウンドしていない裕也の話は、頷けることばかりだ。
プランはこうだ。
まず目標は、15kg減量。私の場合は、学生時代の体重へ。感覚的にでも根拠のある数字を設定するのが良いらしい。
次に期間を設定した。無理なく、1年以上かけて落とすこと。
しかし最初は、結果が現れないとなかなか続かないものだそうで、最初に2ヶ月5kgを確実に落とし、4ヶ月で8kg、その後は一ヶ月に1kgで落としていくというものだ。
計画を表に書き込んでいくことで、本当に達成するんだ、という気持ちになってきた。
「はっくしょん」
(この小説は、毎朝5時更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。
結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。
森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。
近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。
遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。
伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。