おはようございます。ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子です。
昔と比べると、結婚してからも仕事を続ける人がぐんと増えていますね。
それでも、夫の転勤や子どもの誕生など、やはり女性が働き方を変えなければいけない状況になることもこともあるでしょう。
今回は、配偶者の「扶養」に入ると、何がどう変わるのか?そのメリットとデメリットをお伝えします。
配偶者の「扶養」に入るメリットとデメリット
【メリット】国民年金・健康保険の保険料がタダになる
夫が給与所得者(公務員やサラリーマン)の場合、妻の収入が一定以下であれば(会社の規模によりますが一般的に年収130万円未満)、「扶養親族」として保険料負担なしで国民年金に加入していることになります。
これを第三号被保険者といいます。
2023年4月現在、一ヶ月あたりの国民年金保険料は1万6,520円です。1年分で19万8240円、30歳で結婚して60歳までの30年間夫の扶養に入っていたとすると、約600万円国民年金保険料の負担をしなくてよいことになるのです。
また、健康保険も保険料の負担がなく、夫の被扶養者となります。つまり、国民年金と健康保険料の総額も考えると、相当お得といえます。
また、妻の年収によっては「配偶者控除・配偶者特別控除」が適用され、夫の所得税・住民税が安くなります。※夫の所得が1000万円以下であるなど条件あり
【デメリット】正社員で働くことができない
国民年金や健康保険の負担がなくなるメリットを享受するためには、先述のとおり、妻の年収にしばりあります。
妻がフルタイムで正社員として働き、年収の額がしばりを超えてしまう場合は、第三号被保険者のようなメリットは受けられません。また、妻自身で健康保険や年金保険料を支払うことになるため、社会保険料や税金面で得とは言えません。
しかし、妻が正社員として働くことで世帯年収が上がるケースも多いため、扶養に入ると正社員で働くことができないということが大きなデメリットになります。
また、正社員で働くと妻自身の収入や受け取る年金額が増え、将来的に自立した人生を選択しやすくなります。扶養に入ることを優先すると、この点もデメリットになるといえるでしょう。
「扶養」という考え方が、女性の社会進出を阻害しているといわれることもあります。
社会保険料の損得勘定だけでなく、「自分らしく生きる・働く」こともメリットとして、自分や家族にとってよい選択ができるとよいですね!