連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みテーマは…「休校中の子供の生活リズム」~前編~
コロナ禍による長い休校が続いている今、とにかく、子どもの生活リズムの乱れが気になっています。学校が再開した時にきちんとした生活を送れるのか…とても心配。休校中だけでなく夏休みなどの長期休暇中、子供との生活で何を気をつけたらよいでしょうか?
子どもの脳に大きく影響する「睡眠」
人の眠りは、年齢によって大きく変化します。特に子どもはその変化が激しく、乳児、幼児、学童期と年齢によって必要とされる睡眠時間が大きく変わります。
なぜなら、子どもは体も脳も発達途上にあるから。ある幼稚園の調査で、全員に三角形を描いてもらうテストをしたところ、しっかりと睡眠が取れているグループには上手に三角形を描ける子どもが多かったのに対し、十分な睡眠が取れていないグループには、上手に図形が描けない幼児が多かった、と報告されています。また、睡眠が十分でない子どもは、普段の生活でも、落ち着きがない、集中力がないなど、トラブルも多く見られたそうです。
子どもに必要な睡眠時間とは?
「子どもの心も体も健やかに成長させたい」「能力を最大限に発揮させてあげたい」と思うなら、子どもが高校生くらいになるまでは、質・量ともに、大人以上に良い睡眠をとらせるよう心がけてあげましょう。
以下は、National Sleep Foundation in USA.2006で報告された、年齢ごとに推奨される、1日の睡眠時間です。
- 新生児(1~2ヶ月):10.5~18時間
- 乳児(3~11ヶ月):9~12時間の夜間睡眠+1日1~4回の昼寝(1回の昼寝は30分~2時間程度)
- 幼児(1~3歳):12~14時間
- 学童前期(3~5歳):11~13時間
- 学童後期(6~12歳):10~11時間
- 思春期(12~17歳):8.5~9.25時間
- 成人:7~8時間
(出典:National Sleep Foundation in USA.2006)
同年齢でも個人差はあるので、あくまで目安ではありますが、どの年齢にも共通して言えることは、大人同様「朝起きて夜眠る」という規則正しい生活リズムを守るのが大切、ということです。
新生児の場合は、ほぼ1日中寝たり起きたりを繰り返しますが、それでも、朝は明るい環境を作り、なるべく決まった時間に家族が活動を始めるようにしましょう。
そして、夜は照明を暗くして眠りやすい環境を作ります。こうすることで「概日リズム」と呼ばれる1日のリズムが整いやすくなると言われています。
昼寝の時間も工夫しよう
また、幼児期(4歳以降)をすぎたら、昼寝を短めにすることも必要になってきます。「うちの子は夜になっても元気で、なかなか眠らないんです」という悩みをよき聞きますが、ある保育園で、年中さん以上を対象に昼寝をやめたら、夜に早く眠る幼児が増えたと報告されています。
「でも、自分が休むためにも、少しは昼寝をさせたい…」という場合は、大人と同じように、午後3時前までに寝かせるようにして、昼寝の時間を短めにしてみましょう。そうすると、夜スムーズに寝やすくなり、幼児でも生活リズムが整いやすくなります。
後編の記事では、睡眠の質を高めるために親子で実践したい「日中の過ごし方」についてご紹介します!
☆後編は、4月25日(土)朝4時に公開予定です。