それで気付いた。
楽しめば、きっとダイエットは上手くいく!明日からのスムージー生活を楽しんでみよう。
大量に焼いたパンを見つめて、やっぱり寂しくなった。私の唯一の趣味が、パン作りなのだ。冷凍庫に入れるため、ひとつひとつラップに包みながら思う。
そうだ、仕事先で配ってみよう。
私はいま、特許申請業務を行う弁理士事務所でアシスタントをしている。大学を出てすぐ広告代理店の一般職、編集プロダクションの編集アシスタントを辞めたあと、いまの仕事を紹介された。
元々編集者に憧れて就職活動していたが、あえなく失敗。一般職として広告代理店で働いていた時、編集アシスタントの募集を見つけたが、あまりのハードワークについていけず、自ら退職届を出した。
いまの仕事は定時で終わるし、人間関係もとても良好。仕事の関係以上に踏み込まないし、趣味の話もしたことがなかったけれど。
いい機会かも!
大好きなカフェの包装のように、スタンプと紙紐でラッピングしてみた。
そんな折、珍しい人からメールが届いた。
(この小説は、毎朝5時更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。
結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。
森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。
近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。
遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。
伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。