今日のカフェボンボンの本棚は、『寺山修司少女詩集』。
寺山修司がつづる少女の心もよう。さまざまな愛のイメージが散りばめられた詩集です。
かなしいときは海を見にゆく。少女はいつも沖のかもめを眺めてる。海の起源は、たった一しずくの女の子のなみだでした。なみだはどうしても止まらなくて地球を水びたしにしたのです。
ハートの形をした一篇の詩。蝶、恋の本、ローランサンを読んだ夏。左右はしっこには「みずえ」という少女の名前。甘いハートはこんな小さな言葉のかけらでできている。
寺山修司の少女は、猫のようにとらえどころがない。ときどき残酷なのは、少女がひとりぼっちだから? いいえ、まだほんとうの愛を知らないから……。
少女詩集の「朝時間」は、「ヒスイ」の一節より。
なみだを遠い草原に
ヒスイをきみのてのひらに
リリシズムにあふれた一冊をどうぞ。
『寺山修司少女詩集』
著者:寺山修司
出版社:角川書店
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/author/14/