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銀色夏生 ビター&スイートな詩集

 

今日のカフェボンボンの本棚は、『風は君に属するか』
恋のときめきと痛みにあふれた詩集です。

20151019
詩集 風は君に属するか
著者:銀色夏生
出版社:角川書店

銀色夏生の詩のことばは甘いの?それとも苦い?ビターチョコレートの味がする時もあるし、熱々のショコラショーみたいにとろける時もある。それは読む人の心によってクルクル変わる。ひとつだけ確かなのは、この感情を知ってるってこと。恋をしたことのある人なら誰だって、14歳でも80歳でも。私がもし中学生の頃に読んだなら、きっと鞄に入れていた。

飛ぶように駆ける君
君のまわりの疾風が草原を歪ませる

風は 君に 属するか
それとも 野に属するか

いつか好きだった人はこの詩の「君」のようだった。この詩を読むと胸のなかがくすぐったくて、鼻の奥がつんとなる。

バツグンに明るい君
星のような
砂の中の
水晶みたいな君

これは「退屈レモン」の一節。銀色夏生が「君」と呼びかける時、君のまわりの風景が燃え立つように輝く。こんな男の子に恋してるなら切なくて、していならもっと切ない。

この詩集に見つけた「朝時間」は、「途中で僕ら」より。

遠くに青い海が見えたら
途中で僕ら 席を立とう

Love, まっこリ〜ナ

*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/author/14/

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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