【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.14 ときめくってこういうこと

 

【朝の恋愛小説】 Vol.14 ときめくってこういうこと

裕太と藤井君とひとしきり立ち話をした後、私は、浮ついた心のままアレンジメントをしていた。

裕太は、藤井君の担当トレーナーなのだそうだ。
藤井君は週に1度、カラダを鍛えていて、裕太は、藤井君のことを筋がいいと嬉しそうに話してくれた。
雪乃も近くに住んでいることを伝えると、なぜか裕太も含めて4人で飲もうという運びになった。

どんな形でもまた再会できるのが嬉しい。あの頃のときめきが戻ってきた。

静岡の海辺にある高校。
憧れの高校に猛勉強の末に入学したわたしは、1年生の1学期の頃には既に、憧れだけで高校を選ぶべきじゃなかったと後悔していた。
進学校の学習スピートに着いていけなくなったのだ。

それでも、この高校に来て良かったと思えたのは、同じテニス部で成績優秀だった雪乃のおかげで、
劣等生ながら、楽しい高校生活を送れたからだ。

そして何より、藤井倫太郎がいたからだ。
テニスコートの隣のサッカーコートでいつも楽しそうにボールを追いかけていた藤井君に恋をしていた。

潮風の気まぐれでボールが飛ばされてれも、異様にべとつく汗も、気にならない。
見つめていられるだけで良かった。

私は、たくさんいるライバルと戦うことすらしなかったが、テニスボールがサッカーコートに飛んでいく度、胸が高鳴った。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

>> 続き(Vol.15)を読む

<< 前回(Vol.13)を読む

 

物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング