おはようございます。ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子です。
この連載では、『朝のスキマ時間に学ぶ♪家計管理・お金の基本』というテーマで、お金にまつわるコラムをお届けします。
私がFP(ファイナンシャルプランナー)業務を始めて20年。これまで様々なマネー相談を受けてきました。
最近増えているのが、個人マネーレッスン。今さら誰にも聞けないけれどお金のことをしっかり学びたい…そんな女性が増えています。
金融リテラシー(お金の基本知識)は、個人差があるものです。今回は、基本から学びたい方に最初に知ってほしい、お金の「基本のキ」をお伝えします。
学びなおすなら、まずはここから!お金の「基本のキ」
【1】振込額だけじゃない。「給与明細の項目」を理解しよう
給料日の前に明細をもらっても、振込額しか見ていない人がとても多いです。
しかし、給与明細には大切なことが多く載っていますよ。
例えば、総支給額はあなたが本来働いて得た対価。そこから「社会保険」という公的な保険料や、「所得税・住民税」が差し引かれています。
「保険料が引かれて会社に取られている」と思っていたら、それは大間違い。この保険料は会社が社員から「預かって」社会保険料として納めてくれているだけでなく、ほぼ同じ金額を会社が負担、つまりお給料から差し引かれている金額の約2倍の額を会社が納付してくれているのです。このことを知ると、愛社精神が芽生えてくるかもしれませんね。
【2】社会保険には4種類ある
給料から差し引かれる「社会保険」は4種類あります。それぞれの保険とは何か主な給付内容を説明しましょう。
- 健康保険
健康保険証を提示すると病院代が3割負担に。万一ケガや病気で休んで給与が出ない場合お給料の2/3が1年半もらえる(傷病手当金)制度もあります。出産手当金も健康保険からの給付です。 - 厚生年金保険
老後の年金のしくみ。障害を負うと障害年金、亡くなった場合残された家族に遺族年金がでます。 - 介護保険
40歳の誕生日月以降負担します。要介護になった場合、認定をうけると介護サービスが1割負担(収入によって2割、3割)で受けられます。 - 雇用保険
自己都合で退職、リストラや倒産により職を失った場合、ハローワークで手続きのうえ再就職のための求職活動をすると失業保険がもらえる制度です。育児休業給付金は雇用保険から支払われます。
これらはすべて給与明細に載っています。自分がどのくらい社会保険を支払っていて、会社がどれだけ負担してくれているのか、これらの項目も確認するようにしましょう。
まとめ
大きな負担に感じる「社会保険」ですが、それぞれの保険で様々な給付が受けられます。
給与明細は、お金の基本を知る最初の一歩。自分を守ってくれている国の仕組みである「社会保険」を知ると、世の中の仕組みもより理解できるようになります。
お金について学びたいと思ったら、まずは身近なお金の書類、給与明細を理解することから始めてみましょう。