朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ～ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ～ナのカフェボンボン」の本棚は、『猫のエルは』。
猫を愛する作家・町田康が動物たちをめぐる物語を描きます。表題作の「猫のエルは」をはじめ５篇を収録しています。
『猫のエルは』
著者：町田康
出版社：講談社
知らないうちに動物たちの世界に迷い込んでいる。あちらこちらから彼らの話し声や心のつぶやきが聞こえてきます。
動物が集う話「諧和会議」では、馬、蝸牛、雀、蛙らさまざまないきものたちがそこにはいない猫への不満を口にする。「彼らだけは全然、会議にも出てこないし、諧和ということをまったくしようとしない。調和もしない。幸いにして進歩や発展はしておられないようですが、私たちとの会話を拒絶して無言を貫き、好き放題をやらかしている」。そんな意見を述べたのは馬山五郎。そこでみんなの不満を解決するべくある調査委員会が設置されるのだけれど……。
動物たちのユーモラスな物語はナイーブで優しい。とりわけ猫の自由奔放さ、犬のなつっこさが愛おしくてたまらない。印象的な絵はヒグチユウコさん。ファンタジックでイマジネーションあふれる一冊をぜひどうぞ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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