おはようございます。LINEで気軽に相談できるオンライン漢方サービス『わたし漢方』の漢方薬剤師 さっちです。
このコラムでは、不定期で季節の不調を改善するヒントをお伝えしています。
暖かい日が増えてきましたね。4月から進学や就職、異動などでご自分を取り巻く環境が大きく変わり、ようやく一段落したという方。最近なんとなくだるさを感じたり、気分が優れないことはありませんか?
今日のテーマは、この時期に急増するお悩みのひとつ「5月病」。今の季節をうまく過ごすための養生法やおすすめの朝のルーティン、漢方アプローチについてご紹介します。
5月病かなと思ったら…症状をチェックしよう
大型連休明けに学校や会社に行きたくないと感じる、なんとなく体調が悪い、授業や仕事に集中できないといった状態を総称して「5月病」と呼びます。
思い当たるという方は、次のチェックリストで、確認をしてみましょう。
5月病チェックリスト
- 何をするにも面倒でやる気が出ない
- 周りへの興味や関心が薄い・人に会いたくないと感じる
- マイナス思考気味
- 不安・イライラ・焦りなどの精神的な不調を感じる
- 食欲がない・食べても美味しいと感じない
- 頭が重く感じる・ひどい頭痛がある
- 動悸・めまい・息苦しさを感じる
- 睡眠の悩みがある(あまり眠れていない、夜中に何度も目が覚める、朝起きられないなど)
当てはまる症状が多ければ多いほど、5月病の可能性は高まります。
症状が2週間以上続く場合や日常生活に支障をきたす場合は適応障害やうつ病と診断される可能性もあるので、専門の病院を受診するのがおすすめです。
どうして5月に不調が起こるの?
このような不調が出る大きな原因のひとつとして考えられるのが、「自律神経の乱れ」です。
最近では「自律神経失調症」という言葉もよく聞かれ、忙しい現代社会において多くの方が抱えやすいお悩みです。
自律神経には、昼間の活動時間に活発になる交感神経と、夜などのリラックス時に活発になる副交感神経のふたつがあり、両者がバランスを取ることで健康状態を保っています。
春は一年の中でも、特にこの自律神経のバランスが崩れやすいといわれています。
自律神経が乱れる原因は様々ですが、まず、春は人生における節目や生活習慣の変化が多く、季節の変わり目で気温や気圧の変化も大きい季節というのが挙げられます。
新しい出会いや環境というのはワクワクする反面、馴染むまでの過程やこれまでの生活との差にストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。ストレスは生命のエネルギーである「気」の巡りが悪くなる大きな原因になり、自律神経の乱れにつながります。
また、気温の変化に対応するためには、交感神経のはたらきが活発になります。つまり、春は身体にとって緊張した状態が続きやすくなるということですね。
自律神経が乱れる原因は特別なことではなく、普段の何気ない生活の中に潜んでいます。このような負荷が身体にかかり続けると、様々な不調が起こりやすくなります。
こんな人は5月病になりやすいかも?
- 環境の変化に対応するのがあまり得意ではない
- 周囲の機嫌を伺いすぎたり、気を遣いすぎてしまうことがある
- 悩みや愚痴を相談できる相手がおらず、ひとりで抱え込みがち
- 少しのことで落ち込んだり、ミスを引きずってしまう
- 何事も完璧にこなさないと気が済まない
繊細な人や頑張りすぎる人は、特に体調を崩しやすい傾向にあります。
「漢方理論」で考える5月病
漢方の考えで「気滞」と呼ばれる状態になっている方は、5月病に悩みやすい傾向があります。身体のエネルギーになる「気」が身体の中で滞って巡っていかない状態を指します。
気は元気の気や気力の気という言葉通り、生命のエネルギーやパワーの源です。春は特に気が上にのぼりやすいので、めまい・のぼせ・頭痛などのような身体の上部に症状が出やすくなります。
気持ちの気ともいうように、精神面をコントロールをする役割もあるので、気滞を抱えると精神が不安定になりがちに。
また、巡るものが足りない状態である可能性もあります。元気がなくていつも疲れているという方は、気の巡りの悪さだけではなく不足からきているかもしれません。
気は血や水を巡らせる原動力でもあるので、血や水の弱りが目立つ方も見られます。特に女性は毎月の月経で慢性的に血を消耗しやすい状態にあり、血の不足から精神を保つ働きが弱くなってしまう方も。
体の重だるさやめまい、頭痛、吐き気などの症状が起こりやすい場合は水の巡りの改善で楽になるというケースもあります。
また、春は「肝」が影響を受けやすいといわれています。古代中国の自然哲学を由来とする五行の考え方を、身体に応用した「五臓」という考え方によるものです。
そのうちのひとつである肝は、西洋医学でいう肝臓の働きを司るだけでなく、血流・栄養の貯蔵・代謝・解毒・目や筋肉のはたらき、そして自律神経のコントロールも担っています。
※五行…自然界の変化や関係性を5つの要素に分類したもので、お互いのもつ性質を助けたり打ち消し合ったりしながら調和していくという考え方
5月病にならない・脱するための朝習慣
通常、朝目が覚めたときの私たちの身体は、副交感神経が優位になっている状態、つまりリラックスした状態になっています。
ここから日中の活動に向けて、交感神経を活発な状態にしていく必要があります。
まず、起床したらカーテンを開けて陽の光をゆっくりと浴びてください。そのあとは朝食を慌てず、ゆっくりと食べるようにしましょう。さらに余裕があれば朝の散歩など軽い運動を取り入れられるとよりGOOD。
朝に時間がないという方はまず、朝の時間に余裕をもたせるところからはじめてみるのがおすすめです。体にも心にも余裕をもって一日をスタートできるようにしましょう。
自律神経を整える朝食のヒント
おすすめはお味噌汁
腸の働きを良くすることは、自律神経を整えることにつながります。朝に温かいものを摂ると、寝ている間に休んでいた胃腸が活発になります。特に味噌は疲労回復に良いといわれており、具材を工夫すれば一杯でお手軽に栄養補給ができますよ。
洋食が多い方はパン単品ではなく、もう一品追加することを心がけてみましょう。心の安定に効果があるバナナやアボカド、体の温まるスープなど、追加しやすいものからはじめてみてくださいね。
旬の食材を取り入れてみて
春の食材は苦味や香りが強いものが多く、消化機能や肝臓の解毒能力の向上を助けてくれる効果が期待できます。体内に溜まった不要な水分や老廃物を流してくれたり、血液を正常に保つ働きを手助けしてくれます。
- 苦味のある春の食材
ふきのとう・菜の花・たけのこ・よもぎ・うど など - タウリンが豊富な貝類
アサリ・ハマグリ など - 香りの良い香味野菜やハーブ類
春菊・セロリ・三つ葉・ニラ・パセリ・ローズマリー・バジル など - 酸味の強い食材
梅干し・トマト・柑橘類・キウイ・イチゴ など - 気を巡らせる効果のあるお茶
ジャスミン・ローズ・菊花・クコ・ミント など
体質がわからないなら…相談してみよう!
春は比較的過ごしやすい季節とされていますが、意外な落とし穴が潜んでいます。
生活環境が変わりやすい忙しい時期だからこそ、「頑張りすぎていないかな?」と自分の心と体の状態をいつも以上に見てあげてください。日々の生活や体調の変化を見逃さずに、適度な休息とストレス発散を心がけていきましょう。
わたし漢方では、目立つ症状や影響の強い部分、いまのお身体の状態などをカウンセリングで丁寧にお伺いし、あなたに合った体質改善のお手伝いをしています。
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