おはようございます。LINEで気軽に相談できるオンライン漢方サービス『わたし漢方』の漢方薬剤師 さっちです。
不定期で、季節の不調を改善するヒントをお伝えしています。
急に寒い日が続くようになったと感じる今年の秋。10月の気温を振り返ってみると、朝と夕方で10℃以上の寒暖差が発生している地域もあったようです。
今回は、この時期に増加する寒暖差による不調の中でも、最近お悩みの方が多い「寒暖差頭痛」について解説していきたいと思います。
秋特有の「寒暖差」による不調
私たちの体には、気温の変化に合わせて体温を一定に保つための機能があり、無意識に自律神経を使っています。
寒暖差が大きいと、体温調整のために自律神経が過剰に働くので、消耗が激しくなって疲れてしまいます。
秋から冬に移り変わる時期は急な冷え込みにより、寒暖差のある環境が増えますよね。すると、いわゆる自律神経が乱れた状態になり、ちょっとしたことで不調が出やすくなったり、不調が長引いて治りにくくなったり、悪循環が生まれてしまいます。
代表的な症状
- 肩こり
- めまい
- 頭痛
- だるさ
- 便秘
- 下痢
- 胃痛
- 冷え
- アレルギー
- 風邪
- 不眠
- イライラ
- 不安
など
寒暖差による不調は身体的なものから精神的なものまで、人によって症状は異なりますが、中でも最近お悩みの方が多いのが頭痛です。
秋は寒暖差に加え、天気の急な変動による気圧の変化も多いため、特に頭痛が引き起こされやすい季節といえます。元々雨や台風の日に体調を崩しやすいという方は特に注意が必要です。
漢方理論で考える「頭痛」
漢方の考えには、不通則痛(ふつうそくつう)と不栄則痛(ふえいそくつう)という言葉があります。
通じざればすなわち痛む、栄えざればすなわち痛むという意味の通り、気血水の流れが悪くなったり、不足することで痛みが起きることがあるという考えです。
同じ頭痛というお悩みでもどれが停滞しているのか、不足してるのかによって原因も改善のアプローチもかなり異なります。
- 冷え・血行不良による頭痛
寒邪(かんじゃ)・風邪(ふうじゃ)の影響が出やすいこの時期に最も多いのは、急な気温の変化に身体がついていけず冷えや血行不良によって起こる頭痛です。
首元がゾクゾクしてこわばり、頭が痛いと思ったらかぜをひいたというような状態がまさに「風・寒」の影響を受けてしまった状態。このようなケースに葛根湯が有効とよくいわれるのは、冷えている方に最も大切なアプローチである温め力の強い処方となっているからです。
元々冷え性で寒さに弱い方、同じ姿勢でいることの多いパソコン作業やデスクワークが多い方は普段から体内の「血」がスムーズに流れていないため、要注意。
目の疲れや肩こりをあわせて感じる方も多いです。
- ストレスによる頭痛
頭や神経を使う作業が多かったり、睡眠不足やストレスが多いと自律神経が乱れ、エネルギーである気が停滞します。気は血や水を巡らせる原動力なので、気が停滞することでも頭痛を引き起こします。
外では寒いと感じるのに、室内で神経を使う作業をしているとのぼせて頭がボーッとするなど、あわせて血の働きが悪くなっている方も多く見られます。
冷えが強い場合は温めを重視するのに対し、気血の停滞が目立つ方には、漢方では瘀血や気滞を改善するためのアプローチを考えていきます。
- 夏の疲れによる頭痛
この時期に頭痛を起こす方の中には、暑い季節に体調を崩したまま体力が回復していない、気血が消耗した状態を引きずっているというケースもあります。
温めるパワーや血の巡りが弱いので寒暖差に対応できず、不調が起こります。
このような場合に、漢方では、不足している気や血を補うアプローチをおすすめすることもあります。
季節の変わり目に。おすすめ朝習慣
私たちの身体の基盤ともいえる生活習慣が乱れていては、いくら身体に合った漢方を使っても効果を半減させてしまいます。
冷えがちで、身体もなかなかスイッチが入りにくい朝ですが、毎日同じ時間に起きたり、しっかり朝日を浴びたり、リズムの整った生活ができるのが理想的。
生活のリズムがしっかりしてきたら、ストレッチやヨガのような軽い運動を取り入れて呼吸を整えていきましょう!
忙しい朝はつい食事を抜いてしまうという方もいるかもしれませんが、食事をすると体内に熱が生まれるので循環が良くなります。
温かい白湯からスタートし、スムージーやシリアルだけではなく、味噌汁、スープ、梅醤番茶、生姜紅茶など、温まる食事や飲み物を取り入れるのがベストです。
体を温める食材は、以下を参考にしてください。
おすすめ食材
- 身体を温める
長ネギ、生姜、シナモン、葛、にんにく、黒糖 など
- 血の流れを良くする・補う
ニラ、玉ネギ、青魚、黒豆、黒キクラゲ、黒ごま、ひじき、プルーン など
- 気の巡りを良くする
柑橘類、シソ、ミツバ、バジル、ミント、セロリ、ジャスミンティー など
頭痛の原因をつくらない工夫を
冷え性とわかりつつも、おしゃれ優先になっていませんか?
時短のために、入浴をカットして、シャワーだけで済ませていませんか?
長時間のデスクワークをずっと同じ姿勢で過ごしていませんか?
日常の中には良くないとわかってはいてもついやってしまう習慣がありますよね。すぐに全部を変えるのが難しくても、ひとつひとつ見直していくことで、頭痛などの不調を改善する効果が期待できますよ。
首元がゾクゾクする時は、ネックウォーマーやマフラーなどを使ったり、腹巻、カイロ、湯たんぽなどを活用して、お腹や腰を温めるのがGOOD。
湯船にゆったりと浸かるのは体の芯から温まるだけでなく、リラックス効果も期待できるので、ストレスが溜まっている方にもおすすめです。
デスクワークが多い方は適度に休憩を挟んだり、ストレッチをしたり、猫背になっていないか意識して作業するようにしましょう。
体質がわからないなら…相談してみよう!
頭痛以外にも悩む不調があり、「自分はどのような体質なのかわからない」という声も多く寄せられます。
身体のバランスは、ひとつが乱れると他の働きにも影響して様々な不調が出やすくなってしまうため、複雑でわかりにくいものです。
『わたし漢方』では、どれかひとつではなく症状が目立つ部分や、影響が強い部分などをカウンセリングでお伺いし、ひとりひとりの生活習慣も合わせて見直すことで不調に取り組んでいくためのお手伝いをしています。
本質的な解決につながるかもしれませんので、ぜひ一度ご相談ください。
今までの生活習慣を見直して不調と向き合い、健康な身体づくりを始めてみませんか?
『わたし漢方』は、LINEで身体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービス。カウンセリングはすべてLINE上で、最初の問診は24時間相談可能。漢方の専門家が直接お悩みにお答えいたします。初回の問診はすべて無料。体質改善の相談と漢方薬の服用を希望する場合は有料プランとなります。
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