あなたの体は何タイプ?体質別「生理の不調」養生法

 

おはようございます。LINEで気軽に相談できるオンライン漢方サービス『わたし漢方』漢方薬剤師 さっちです。不定期で、季節の不調を改善するヒントをお伝えしています。

前編( https://asajikan.jp/article/225273 )に引き続き、多くの女性のお悩みである生理をテーマに、漢方での体質別アプローチについてお話していきたいと思います。

「不定愁訴」の対処が得意な漢方

生理痛で悩む女性

「病院では問題ないと言われたけれど…」「辛いけど、どうしたら良いかわからない…」

このように、明らかな身体的原因が認められないにも関わらず、多彩な症状を訴え続ける状態のことを、不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます。

つまり、症状は出ているのに検査上異常が認められにくい、つかみどころのない状態を指します。

中でも、生理にまつわる不調は、症状の出方も原因も人それぞれ。同じ症状でも体質によっては、原因も違ってきます。

このような不定愁訴(ふていしゅうそ)に対応できるのが、漢方のいいところです。体質似合わせて、子宮や卵巣などの臓器だけでなく、体全体を整えていけるようにアプローチをとることができます。

体質別!おすすめの養生法と食材

漢方

漢方医学では、様々な要素から体質を見極めていきます。

中でも基本的な考えとして挙げられるのが、体の状態をつくる三要素である「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の考え方です。

  • 「気」:命のエネルギーで、体のあらゆる活動を支えるパワーのようなものです
  • 「血」:体の血液や臓器を潤して整えるもので、栄養を行き渡らせる役割があります
  • 「水」:体の中の血液以外の水分を指し、代謝や免疫力に影響を与えます

これらは互いに影響しあって成り立っており、3つが体内をバランスよく、正常に巡っている状態が健康であると考えられています。

何が足りていないのか・滞っているのかは人によって違います。この違いから見えるのが、漢方でいう「体質」です。

瘀血(おけつ)タイプ

「血」が滞ってしまっている状態です。

このタイプの方は、重い月経痛、多い月経量、血の塊が出やすい、冷えのぼせ、肩こり、頭痛、肌荒れ、子宮筋腫などの症状が起こりやすいです。

【おすすめの養生法】

睡眠不足、湯船にゆっくり浸からない、身体を冷やす食べ物や飲み物(飲酒)を多く摂りがちな方に多い体質のため、このような生活習慣が当てはまる方は改善していきましょう。血流が悪い方が多いため、特に骨盤周りの血流を良くするのが大切。デスクワークでも座りっぱなしは禁物です。意識して立ち上がったり、屈伸運動を定期的に行うなど体を動かして「血」を巡らせましょう。

【おすすめの薬膳食材】

生姜、にんにく、らっきょう、シナモン など

血虚(けっきょ)タイプ

「血」が足りていない状態です。

月経量が多かったり、不正出血の状態などが長引くと、「血」を消耗した「血虚」という状態になりやすくなります。

この状態になると、周期が遅れたり経血が少なくなります。他にも、月経後半の痛みや不調、めまい、立ちくらみ、貧血、乾燥肌などの症状が起こりやすくなります。

【おすすめの養生法】

夜更かしや目の使い過ぎは「血」の消耗を助長します。寝る前のスマホの見過ぎには気をつけましょう。

【おすすめの薬膳食材】

なつめやプルーンなどのドライフルーツ、クルミや松の実、ナッツ類、クコの実、黒ごま、黒豆、レバー、ほうれん草 など

気滞(きたい)タイプ

「気」が滞った状態です。

血流だけでなく「気」の巡りも重要です。排卵をコントロールする脳の「視床下部」はストレスの影響を受けやすく、ストレスが排卵や月経周期が乱れる一因になる場合もあります。

そのため、気滞の状態が目立つ場合は基礎体温がガタガタになったり、周期が不規則になりがち。

月経前に胸やお腹が張る、イライラや不安感などの精神的変化、不眠、過食などPMSの症状も出やすくなります。

【おすすめの養生法】

この状態になりやすいのは、不規則な生活やストレス過多、頑張り過ぎてしまう方が多いです。肩の力を抜いて、リラックスする習慣をつくりましょう。柑橘系のアロマなどを取り入れるのもおすすめです。

【おすすめの薬膳食材】

香りの良い食材、シソ、春菊、ミント など

気虚(ききょ)タイプ

「気」が足りていない状態です。

気には、血が血管外に漏れ出ないように統制するという働きがあります。この働きが弱いと、月経がダラダラ続いたり、生理が早く来たり、不正出血などの症状も出やすくなります。

温めるパワーも弱いので体全体が冷えがちな方も多く、疲れやすかったり、胃腸が弱かったり、日中の眠気なども起こりやすい状態といえます。

【おすすめの養生法】

過労や激しい運動、睡眠不足、栄養不足などは「気」の消耗を招くため、過度なダイエットは控えましょう。まずは休息をしっかり取って、心も体も休めることが大切。食から栄養をとることも大切です。「忙しいから」とご飯をしっかり食べず、お菓子だけ、栄養補助食品だけという人は見直しが必要かもしれません。

【おすすめの薬膳食材】

お米、玄米、雑穀、イモ類、カボチャ、きのこ類 など

水滞(すいたい)タイプ

「水」が滞った状態です。

体内の余分な水分が停滞すると、おりものが多くなったり、むくみやすくなります。

他にも、重怠い月経痛・腰痛・下痢・冷え・めまい・頻尿などが起こりやすくなります。

梅雨のような高温多湿な時期に、特に体調不良を起こしやすいという方は余分な水分による不調が目立っている可能性が高いです。

【おすすめの養生法】

水を巡らせる力が弱い人は、水分の取り過ぎに注意。多量を一気に飲まず、少量を小まめに飲むようにしましょう。水分の停滞は内臓の熱も奪いやすく、気や血の巡りも弱くしてしまうので、体を冷やさないことも大切です。

【おすすめ薬膳食材】

ハトムギ茶、黒豆茶、あずき茶、トウモロコシのひげ など

体質がわからないなら…相談してみよう

あれこれ不調があって、「自分がどの体質かわからない」という声も多く寄せられます。実は、これらの体質の複数が連動して見られるケースもよくあることです。

たとえば、「気滞」の状態が長く続くと、緊張やストレスで血管が収縮し、血液が流れにくくなっていくため「瘀血」の状態にもなりやすいです。

胃腸虚弱が目立つ方は、食べ物からの栄養を吸収する力が弱いため、「気虚」だけでなく、「血虚」の状態を併せ持つ場合も多いです。

「気・血・水」のバランスは、ひとつが乱れると他の働きにも影響して様々な不調が出やすくなってしまうため、複雑でわかりにくいものです。

わたし漢方

『わたし漢方』では、どれかひとつではなく症状が目立つ部分や、影響が強い部分などをカウンセリングでお伺いし、ひとりひとりの生活習慣も合わせて見直すことで「生理不調改善」に取り組んでいくためのお手伝いをしています。

毎月当たり前のように「生理不調」を受け入れてきたなら、本質的な解決につながるかもしれませんので、ぜひ一度ご相談ください。

春は環境が変わるという方も多く、心も体もデトックスして、生まれ変わるスタートにぴったりの時期です。

今までの生活習慣を見直して、不調と向き合い、健康なお身体づくりを始めてみませんか?

『わたし漢方』は、LINEで身体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービス。カウンセリングはすべてLINE上で、最初の問診は24時間相談可能。漢方の専門家が直接お悩みにお答えいたします。初回の問診はすべて無料。体質改善の相談と漢方薬の服用を希望する場合は有料プランとなります。

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~ゆるっと養生で朝が変わる~ 季節の不調改善コラム

オンライン漢方薬局『わたし漢方』の薬剤師のさっち先生が、 季節の不調改善のヒントを教えます!
Written by

さっち先生(薬剤師)

LINEで相談できるオンライン漢方薬局『わたし漢方』の薬剤師。
「不調とともに生きる女性の毎日を快適にし、やりたいことに全力投球できる手助けがしたい」という想いをもとに、東洋医学に基づいた体質改善の秘訣や健康食の紹介、漢方を取り入れた養生法などをインスタグラム @watashikampo でも公開しています。
わたし漢方:https://www.watashikampo.com/

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