朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、大人の心を揺さぶる本。
大人になったからこそわかること、より心にしみることがある。今あらためて読みたい不朽の名作を選びました。夏休みの読書にもオススメの3冊です。
『ちいさいモモちゃん』
著者:松谷みよ子
出版社:講談社
長年にわたって愛され続けてきたモモちゃんの物語です。
モモちゃんが生まれたのは美しい夏の日でした。それから、真っ黒な子猫のプーが家族になって、保育園に上がると仲良しもできて、モモちゃんはすくすくと成長していきます。ママに怒ったモモちゃんが、電車に乗って空を飛んでいってしまったこともありました。
雨戸にすみついたコウモリの子を見つけたときのこと。ケガをしたコウモリにモモちゃんは赤チンを塗ってあげるの。コウモリが「ぼくはモモちゃんちの悪い蚊や虫を食べてあげてるんだよ」と言うと、「むし? むしのごはん」って、モモちゃんは心配そうに聞くんです。得意げなコウモリの子とやさしいモモちゃんが愛らしいですね。
やがて小さかったモモちゃんもお姉さんになり、家族のあり方も変化していきます。絵本作家・酒井駒子さんが描くモモちゃんがとても印象的です。『ちいさいモモちゃん』『モモちゃんとプー』を収録しています。
『絵のない絵本』
著者:アンデルセン/訳:矢崎源九郎
出版社:新潮社
アンデルセンの詩情あふれる名作です。貧しい絵描きの若者が、屋根裏部屋に暮らしています。さびしい若者のたったひとりの友だちは月でした。「わたしの話すことを、絵におかきなさい」。月は毎晩やってきて、あちこちで見たことを話してくれた……。
インドのガンジス河、アフリカの砂漠、グリーンランドのオーロラ、ローマの皇帝宮、スウェーデンの僧院、中国の寺。異国の地のエキゾチックな情景が美しく浮かび上がる。
一生旅をしてさすらったアンデルセン。本書の話の多くが彼自身の体験に基づいているそうです。月が夜ごと語った三十三夜。私はいつも第一夜からではなく、そのときどきの気まぐれで、月の話に耳を傾けています。
『アルプスの少女ハイジ』
著者:ヨハンナ・シュピリ/訳:松永美穂
出版社:KADOKAWA
不朽の名作『アルプスの少女ハイジ』の完訳版。懐かしい物語と再び出会い、あらたな感動に包まれる一冊です。
ハイジがヤギ飼いの少年ペーターと一緒に牧場へと登っていく。まわりではヤギたちが遊んでいる。子どもの頃に大好きだった場面に差し掛かると、思わず胸がいっぱいになります。そして、ハイジと山に抱かれた人々の物語が、驚くほど情感豊かな作品であることにあらためて気づきます。
ドラマチックな展開に心を躍らせるのは子どもの頃と同じだけれど、とりわけ印象的なのはハイジの愛情と思いやりの深さです。人々の悲しみや孤独に寄り添うハイジの姿に心揺さぶられました。
本を閉じたあともう一度読みたくなるのは、初めてハイジがおじいさんのもとにやってきた日のこと。ここからすべてが始まりました。はしごを上って干し草置き場を見つけたハイジが「わたし、ここで寝たい」と叫ぶ。「ここはとってもすてき! 上ってきて、どんなにすてきか見てごらんよ、おじいさん!」その夜、ミルクとパンを食べたあと、干し草のベッドでぐっすり眠るハイジ。このシーンに子どもの頃の憧れがぜんぶ詰まっている気がします。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
*『ちいさいモモちゃん』
*『絵のない絵本』
*『アルプスの少女ハイジ』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>