朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『アルプスの少女ハイジ』。
不朽の名作『アルプスの少女ハイジ』の完訳版、文庫新刊です。懐かしい物語と再び出会い、あらたな感動に包まれる一冊です。
『アルプスの少女ハイジ』
著者:ヨハンナ・シュピリ/訳:松永美穂
出版社:KADOKAWA
ハイジがヤギ飼いの少年ペーターと一緒に牧場へと登っていく。まわりではヤギたちが遊んでいる。子どもの頃に大好きだった場面に差し掛かると、思わず胸がいっぱいになります。そして、ハイジと山に抱かれた人々の物語が、驚くほど情感豊かな作品であることにあらためて気づきます。
ドラマチックな展開に心を躍らせるのは子どもの頃と同じだけれど、とりわけ印象的なのはハイジの愛情と思いやりの深さです。人々の悲しみや孤独に寄り添うハイジの姿に心揺さぶられました。おじいさんとの幸せな生活から引き離され、大都会のクララの家で暮らした経験をしたからこそ、ハイジはより人の苦しみを自分のことのように感じるようになったのかもしれません。
本を閉じたあともう一度読みたくなるのは、初めてハイジがおじいさんのもとにやってきた日のこと。ここからすべてが始まりました。はしごを上って干し草置き場を見つけたハイジが「わたし、ここで寝たい」と叫ぶ。「ここはとってもすてき! 上ってきて、どんなにすてきか見てごらんよ、おじいさん!」その夜、ミルクとパンを食べたあと、干し草のベッドでぐっすり眠るハイジ。このシーンに子どもの頃の憧れがぜんぶ詰まっている気がします。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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