朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『軽い手荷物の旅』。
世界各国で愛されている『ムーミン』シリーズの作者、トーベ・ヤンソンが大人向けに書いた一冊。さまざまな「旅」をテーマに描く奥深い作品です。表題作をはじめ「往復書簡」「夏の子ども」「エデンの園」など12篇を収録しています。
『軽い手荷物の旅』
著者:トーベ・ヤンソン/訳:冨原眞弓
出版社:筑摩書房
持ってきたのは軽い手荷物だけ。「わたし」の心と同じように軽やかな鞄ひとつで旅に出て、もう二度と戻ってくるつもりはない——(「軽い手荷物の旅」)。
船が陸を離れたとたん、すべてははるか彼方へ遠のき、「わたし」はめくるめくような解放感を感じています。日常のしがらみから解き放たれたくて旅に出る登場人物たち。彼らの旅に寄せる思いは「自由」なのかもしれません。
ヤンソンさんはフィンランドの小さな島で小説を書いていました。物語には島の気配が立ち込めています。静かな森や夜の浜辺で、旅人はふと立ち止まり、自然の息吹を感じ取る。孤島に暮らしたヤンソンさんがきっとそうしていたように。もし、旅の途中で迷子になったとしても、光や風や鳥たちが道を教えてくれる。
今回、いつかまた旅する日を夢見て再読しました。以前ご紹介した『トーベ・ヤンソン短篇集』でも触れましたが、「植物園」はとくに好きな作品です。植物園に通う年配の男性二人をめぐる、ユーモラスで詩情あふれる物語です。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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