朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『森の文学館』。
森にまつわる小説やエッセイを集めたアンソロジー。森の気配を濃厚に感じる一冊です。「深い迷路の奥で」「森の音に耳を澄ます」「ウィーンの森、ラインの森」などをテーマに、さまざまな視点で森の文学を紹介します。朝読書にもぴったりの本をどうぞ。
『森の文学館 緑の記憶の物語』
編:和田博文
出版社:筑摩書房
みなさんが森に抱くのはどんなイメージですか。子どもの時に読んだお話に出てきた森が、ずっと心の中にあるという方も多いかもしれませんね。この本のいくつもの物語が森の記憶を呼び覚ましつつ、未知の世界へと案内してくれます。
作家の村田沙耶香さんにとって、森は幼い頃に大好きだったある歌と深くつながっている。今でもこの曲を外を歩きながら聴くという。すると「ビルが不思議な形の木々に見えてきて、森の中で道に迷っている気持ちになってしまう。それは少し怖いことでもあるのに、どうしてこんなに安心するのだろう」——。
日本だけでなく世界の森や山の話が収録されています。彫刻家の高田博厚氏は、パリで暮らした日々を、愛する森の風景を織り交ぜながら綴っています。「雨が降ると、外や空は暗くて、森の方が明るく透明である」というフランスの森。外国にひとり暮らす人の孤独を慰めたこの森を私も歩いてみたいと思う。
さまざまな森をめぐる物語をゆっくりと読むうちに、心が鎮まっていく。森に流れる時間や自然の気配を感じると、五感が目覚めていくようです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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