今日のカフェボンボンの本棚は、『晩菊』。
漫画家の安野モヨコが「女体」をテーマに作品を選び、挿絵を描き下ろした豪華アンソロジー。太宰治、谷崎潤一郎、岡本かの子、有吉佐和子らの名作を華麗な絵とともに味わう一冊です。
『晩菊 女体についての八篇』
選・画:安野モヨコ/著:太宰治、岡本かの子 他
出版社:中央公論新社
谷崎潤一郎の「富美子の足」。白く美しいだけではなく「踵の周りや爪先の方が薔薇色に滲んだ」足。安野モヨコはその足をあえて描かない。隠されているからこそなまめかしい。
太宰治の短篇「美少女」は、女体をめぐる話そのもの。妻と混浴温泉に出かけた「私」はひとりの少女と出会い、「青い桃実を思わせる」若い裸体の美しさに目を見張る。輝くばかりの肉体とは裏腹にあっけらかんとした少女が印象的。
日本の文豪たちの作品に艶やかな挿絵がつくとストーリーが匂い立つ。本書は安野モヨコ選・画のシリーズ第一弾。続刊も楽しみですね!
桜桃忌に。
Love, まっこリ〜ナ
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