朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、ミステリー小説。
真犯人は誰? 事件の真相はいったい……? ストーリーの先が知りたくてたまらない。休日は読書に没頭したいという方にオススメの2冊を選びました。抜群に面白い海外ミステリーの傑作をぜひどうぞ。
『アリスが語らないことは』
著者:ピーター・スワンソン/訳:務台夏子
出版社:東京創元社
『アリスが語らないことは』という意味深なタイトルも、表紙カバーの海岸の家も、不穏な空気に満ちている。底知れない不安がわきあがってくるような。
舞台はアメリカのメイン州、海辺の町。大学卒業間近の若者ハリーは、父親のビリーが事故死したと知らされる。連絡をしてきたのは継母のアリス。ビリーは海岸の散歩途中に転落したという。すぐに実家に戻ったハリーは、悲しみにくれるアリスと再会、若く美しい彼女に心が乱されてしまう。さらに父の事故死に不審な点が見つかって……。
ここからハリーの真相追及が始まるかと思いきや、物語は一気に継母のアリスの過去へ。14歳の頃の彼女のエピソードが語られます。徐々に明らかになるアリスの特異な過去が、現在とどんなふうにつながってくるのか。アリスを取り巻く人々、ビリーのまわりの人々、ハリー自身も含め、登場人物たちは相当クセのある者たちばかり。複雑な人間模様から浮かび上がる彼らの接点とは。
読み出したら止められない怒涛の展開が待っています。予測不能な作品に浸ってくださいね。
『自由研究には向かない殺人』
著者:ホリー・ジャクソン/訳:服部京子
出版社:東京創元社
17歳の女子高校生が自由研究で少女の失踪事件を調べるという異色の青春ミステリー。パソコンやスマホを駆使して情報を集め、持ち前の知恵と勇気で事件の真相に迫っていく様子をスリリングに描きます。
町の高校に通うピップが自由研究のテーマに選んだのは、かつて自分の住む町で起こった少女アンディ・ベルの失踪について。当時、小さな町を震撼とさせた事件です。じつはピップの自由研究の本当の目的は、アンディを殺したとされる少年の無実を証明することだったのです。
アンディの失踪をめぐる背景を調べるために、ピップは次々と関係者にインタビューを試みますが、なかなか一筋縄ではいかず、何度も壁にぶち当たります。調査すればするほど、事件の闇は深まっていくように思えてくる。果たしてピップは事件の真相に迫ることができるのでしょうか。
何事も全力投球で一生懸命なピップの活躍、そして傷ついた人たちへのピップのやさしさに共感します。家族や友だちとの日常のシーンはまるで海外ドラマのよう。謎解きだけでなくさまざまな要素を楽しめます。抜群に面白くてせつないミステリーをぜひ。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
*『アリスが語らないことは』
*『自由研究には向かない殺人』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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