朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『クロコダイル・ティアーズ』。
『犯人に告ぐ』『火の粉』『望み』など数々のヒット作で知られる雫井脩介の最新刊。夫の死に妻は関与したのかしていないのか。家族のあいだに広がる疑いと葛藤を描くミステリー小説です。
『クロコダイル・ティアーズ』
著者:雫井脩介
出版社:文藝春秋
物語の舞台は古都・鎌倉。老舗の陶磁器店の主人である久野貞彦と妻の暁美は、人もうらやむような幸せな暮らしを送っていた。店の経営は順調で跡継ぎの息子もおり、かわいい孫にも恵まれた。
しかし、そんな満ち足りた生活は長くは続かない。夫婦の息子・康平の突然の死によって、平穏な日常は一気に崩れ去ってしまう。やがて康平の死をめぐり、妻の想代子への疑念が家族のあいだにじわじわと広がっていく。
美しく慎み深くはかなげな想代子。彼女は本当に夫の死に関わっているのか。仲睦まじかった家族にとって、これほど恐ろしいことがあるだろうか。たしかに、想代子には何を考えているかわからない得体の知れなさがある。どこか肝の据わったような凄みも見え隠れする。ひとりの女が悪女であるかどうか、その一点だけで物語に引き込まれていく。そして、家族ひとりひとりが何を失っていったのかを思わずにはいられない。
本書は、心理サスペンスでもあり家族小説でもあると思います。秋の夜長に極上のミステリーをぜひ。週末の読書にもオススメです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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