朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、恋愛や結婚をめぐる心理サスペンス。
週末や連休中の読書に、一気読み必至のサスペンス小説をいかがでしょう。巧みな心理描写とスリリングな展開に心がざわつく3冊を選びました。夏休みのおこもり読書にもオススメです。
花嫁と元妻をめぐる心理スリラー。
「結婚」をテーマにした全米ベストセラーのサスペンス小説。ふたりの女性の視点で語られるストーリーには、どんでん返しや巧妙な罠が仕掛けられています。
保育園の先生として働くネリーは27歳。ヘッジファンド・マネージャーのリチャードともうすぐ結婚予定です。彼は裕福で優しくてネリーを心から愛してくれる。素敵なリゾートでの結婚式を控え幸せいっぱいなはずのネリーだけれど、じつは気味の悪い出来事に悩まされていたんです。
不安材料はそれだけじゃありません。ネリーを通してうっすらと感じてしまうのは、リチャードに対する違和感です。ちょっとしたことかもしれないけど、なんとなく見過ごせない何か。ネリーは大丈夫?
もうひとりの女性は、リチャードの前妻ヴァネッサです。百貨店で販売員の仕事をする彼女は、ある日、リチャードが婚約したというニュースを聞いて……。ここからのスリルに満ちたストーリー展開は圧巻の面白さ。登場人物の女性たちを応援したくなるのも、この小説の大きな魅力のひとつだと思います。
『完璧すぎる結婚』
著者:グリア・ヘンドリックス・サラ・ペッカネン/訳:風早柊佐
出版社:二見書房
危険な文通。
人気作家・井上荒野の傑作サスペンス小説。「文通」をテーマにスリリングな恋愛を描きます。一度も会ったこともない男女が危険な手紙の罠に陥っていく。その予想もしない結末とは……。
大学生の航大は「凛子」という名の人妻に手紙を書く。二十代の専業主婦という自己紹介文に魅かれて。彼女の手紙に生々しさを感じて。自分をエリート商社マンと偽る航大。しかし「凛子」もまた、手紙に嘘を書いていた。稚拙な嘘をつく航大に対し、衝撃的な内容を小出しにして彼を煽る「凛子」。やがて手紙に書かれた危険な言葉がエスカレートし過ぎた時——。
メールでもLINEでもなく、あえて手紙という手段を使ったやりとりは、もどかしいからこそスリリング。読み始めたらもう無我夢中で読みふけってしまう。手紙の罠にハマります。
『綴られる愛人』
著者:井上荒野
出版社:集英社
二人の妊婦の秘密。
舞台はロンドン、妊娠中の二人の女性の運命が絡み合う。赤ちゃんを産んで幸せなママになりたいだけなのに……。英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞作家が描くサイコ・スリラー小説です。
「予定日はいつですか?」アガサがメグに尋ねた一言がきっかけだった。妊娠中の二人の女性が出会って、やがてカフェでお茶を飲むまでになる。
苦労人のアガサは、幸せそうな家庭を築いている同年代のメグに憧れています。職場のスーパーマーケットから、メグがママ友たちとカフェにいるのをじっと見たりしています。「メグはまた妊娠していて、あたしもお腹に赤ちゃんがいるから、これ以上ないほどわくわくしている」。こんな気持ちを抱きながら。もうすぐママになろうとしている彼女たち、秘密を抱える二人の運命は果たして……?
メグとアガサの目を通して語られる生活は、まるですぐそばにいる誰かの日常のよう。職場の上司の愚痴や不誠実な夫への不満も、カフェで過ごしたり妊婦のためのヨガレッスンに通ったりする日々も。2018年オーストラリア年間最優秀小説賞受賞作。素晴らしく面白い小説を夢中で読みたいときにぜひ。
『誠実な嘘』
著者:マイケル・ロボサム/訳:田辺 千幸
出版社:二見書房
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
*『完璧すぎる結婚』
*『綴られる愛人』
*『誠実な嘘』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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