朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『綴られる愛人』。
人気作家・井上荒野の傑作サスペンス小説。「文通」をテーマにスリリングな恋愛を描きます。一度も会ったこともない男女が危険な手紙の罠に陥っていく。その予想もしない結末とは……。
『綴られる愛人』
著者:井上荒野
出版社:集英社
大学生の航大は「凛子」という名の人妻に手紙を書く。二十代の専業主婦という自己紹介文に魅かれて。彼女の手紙に生々しさを感じて。自分をエリート商社マンと偽る航大。しかし「凛子」もまた、手紙に嘘を書いていた。
二人をつなぐのは、文通の仲介サイト「綴り人の会(つづりびとのかい)」。個人情報を明かさずに、不特定多数の相手と文通することができるという。お互いに正体を偽ったまま文通をはじめた二人は、手紙にさまざまな嘘を書き連ねていきます。稚拙な嘘をつく航大に対し、衝撃的な内容を小出しにして彼を煽る「凛子」。やがて手紙に書かれた危険な言葉がエスカレートし過ぎた時——。
「凛子」は「便箋の上ではいつも本気」だというんですよね。だから余計に怖くなる。年上の人妻の本気に反応して、航大は歪んだ気持ちを募らせていくのだから。メールでもLINEでもなく、あえて手紙という手段を使ったやりとりは、もどかしいからこそスリリング。読み始めたらもう無我夢中で読みふけってしまう。手紙の罠にハマります。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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