今日のカフェボンボンは、『クライム・マシン』。
卓抜な設定、ひねりの効いたストーリー、あっと驚く結末。ヒッチコックも絶賛した短編ミステリーの名手ジャック・リッチー名作選です。
『クライム・マシン』
著者:ジャック・リッチー/訳:好野理恵
出版社:河出書房新社
たとえば、表題作の「クライム・マシン」。殺し屋の前に、自分が発明したタイム・マシンに乗って、あなたが人を殺したのを見たよという男が現われます。突飛な設定に引き込まれ、一気に結末へ。タイム・マシンのそんなデンジャラスな使い方、思ってみたこともなかった。
「旅は道づれ」は、飛行機に乗り合わせた女性2人の会話を描くショートショートの傑作。6ページ足らずの他愛のないおしゃべりに、とんでもない毒が仕込まれています。
まるで手品を見ているような非日常的なワクワク感。それがジャック・リッチーの醍醐味です。ひと言も見逃すまいと思っているのに、やっぱり引っかかってしまう。巧妙なワナにはまるのが心地よいのです。あまり先入観なしに読んだ方が、その面白さをダイレクトに味わえると思います!
「エミリーがいない」「殺人哲学者」「罪のない町」など選りすぐりの14編を収録。短編ミステリーの極上エッセンスがつまった名作選をどうぞ。
Love, まっこリ〜ナ