朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『呪われた町』。
モダン・ホラーの帝王、スティーヴン・キングの吸血鬼をテーマにした小説。以前、カフェボンボンでもご紹介した伝説の名作が、文春文庫で新装復刊されました。うだるような暑さも一気に解消、背筋も凍る一冊をどうぞ。
『呪われた町 上』
著者:スティーヴン・キング/訳:永井淳
出版社:文藝春秋
『呪われた町 下』
著者:スティーヴン・キング/訳:永井淳
出版社:文藝春秋
平和な日常が暗黒世界に変わる境い目。そこに自分が立ち会ってしまったら。スティーヴン・キングの世界に一歩足を踏み入れたら最後、そんな怖れにずっとつきまとわれる。
物語の舞台はアメリカ北東部の退屈な田舎町。1975年の夏、新進作家のベン・ミアーズは、幼い頃を過ごしたこの町に戻ってきます。町を題材に小説を書こうと下宿を借りたベンは、一見平穏な町の何かが変だと気づきます。その中心に存在するのは、丘の上の不吉な幽霊屋敷・マーステン館。廃墟だった館にある人物が住みついた途端に起きる、住民の失踪や遺体の紛失事件。悪の力が目覚め、よみがえった吸血鬼たちが町をじわじわと食い尽くしていく。ベンと仲間たちは町の人々を救おうと立ち上がるのですが……。
朝、吸血鬼たちは眠りにつくけれど、夜になったら勝ち目なし。まさに光と闇の物語です。崩壊していく町と住人たちのリアルな描写も素晴らしく、物語の圧倒的なパワーに魂をもっていかれそうです。
キングの作品を読むとき、私はいつも同じタイプのキャラクターに魅かれます。不良っぽくてチャーミング、いざとなると途方もなく勇敢な若者。この物語ではベン・ミアーズがそう。悪と戦うベンたちの勇気にしびれます! 怖くてたまらないのに心奪われずにいられない。キングの魅力が詰まった一冊をぜひ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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