朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『藪の中・将軍』。
芥川龍之介の名作集、多彩なテーマで描いた名作17篇を収録しています。夏休みの読書にオススメの一冊です。文庫のカバーに気分も上がります。
『藪の中・将軍』
著者:芥川龍之介
出版社:KADOKAWA
今昔物語を題材にして書かれた「藪の中」は、一人の男が殺された事件をめぐる物語。検非違使に問われて、複数の人間が証言をするが、真相に迫る肝心なところで言い分が食い違う。最後には、殺された男の霊までが巫女の口を借りて語り始める。薄暗い藪の中で実際になにが起きたのかわからないまま、当事者たちの隠された心理が浮き彫りになっていく。
自分の置かれた立場によってこうまで主張は異なるものなのか。はじめて「藪の中」を読んだときのぞっとするような怖さがよみがえってきます。
本書では、「秋山図」「山鴨」「奇怪な再会」「俊寛」など17篇を収録。短い随筆を集めた「雑筆」からは、当時の著者の暮らしも垣間見えます。「今夜は心が平らかである。机の前にあぐらをかきながら、湯に溶かしたブロチンをすすっていれば、泰平の民の心もちがする。こういう時は小説なぞ書いているのが、あさましいようにも考えられる」(「今夜」より)。
やっぱり、芥川龍之介は面白い。真夏の一日、文豪の名作の数々にじっくり浸ってみるのはいかがでしょう。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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