朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、眠れない夜の本。
なかなか寝つけないときは、ショートストーリーを一篇か二篇ずつ、軽めの読書でリラックスしませんか。おやすみ前におすすめの短篇集を翻訳小説からセレクトしました。面白くてロマンチック、ときにはドキッとするような物語をお楽しみくださいね。
『ジョナサンと宇宙クジラ』
著者:ロバート・F・ヤング/編・訳:伊藤典夫
出版社:早川書房
心ときめくロマンチックなSF作品集です。著者は『たんぽぽ娘』で知られる、SFの詩人ロバート・フランクリン・ヤング。愛に満ちたファンタジックな物語で、長年にわたりファンの心を魅了し続けてきました。
2339年、ジョナサンは銀河の果てで宇宙クジラと出会う。宇宙の暗黒に落ちながらジョナサンが思うのはあとに残してきたもの。光と笑いと愛のこと、のぼる朝日としずむ夕日のこと、恋人のこと……。気持ちが沈んでいるとき、胸がズキンとするとき、私はSFを読みたくなる。とくにヤングの物語は効きます。心の痛みにそっとやさしく触れられたように。
表題作をはじめ「九月は三十日あった」「魔法の窓」「空飛ぶフライパン」「ジャングル・ドクター」など全10篇を収録しています。
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『緑の髪のパオリーノ』
著者:ジャンニ・ロダーリ/訳:内田洋子
出版社:講談社
イタリアを代表する作家・ジャンニ・ロダーリの小さな物語がたくさん詰まった短篇集です。ロダーリさんの魔法にかかって、空も花もネコもみんな胸に抱きしめているような、温かな気持ちがこみ上げてきます。
表題作の緑の髪のパオリーノの話はとてもファンタジック。緑色の髪の赤ちゃんを見に来た女の人たちが言った言葉は「頭にサラダが乗っているみたい」。パオリーノの髪を診察するためにお医者さんが呼ばれて……。
ロダーリさんの世界では、みんな話をするのがあたりまえ。ネコはしゃべるだけじゃなくて手紙だってかくし、通学カバンに入っている物たちも、子どもが眠っているあいだにおしゃべりしています。シチリア島やサルデーニャ島の楽しい会話も聞いてみてくださいね。
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『バビロン行きの夜行列車』
著者:レイ・ブラッドベリ/訳:金原瑞人/野沢佳織
出版社:角川春樹事務所
物語の魔術師レイ・ブラッドベリの短篇集。海辺の本屋を舞台にした「なにも変わらず」は、のどかな出だしからは思いも寄らない展開が印象的な作品。
海のすぐそば、桟橋の上に素晴らしい本屋がある。トタン屋根の下には一万冊の本。なにがいいかというと、床下に打ち寄せる波音、「わたし」はとくに屋根をたたく雨音が気に入っていた。ある嵐の日、雨音が聞きたくて本屋へ出かけたわたしは、古い高校の記念アルバムを見つけて……。
表題作をはじめ「目かくし運転」「似合いのカップル」「ミスター・ペイル」など、とびきりイマジネーション豊かで幻想的な物語が収められています。
くわしくはこちらの記事をどうぞ。
*『ジョナサンと宇宙クジラ』
*『緑の髪のパオリーノ』
*『バビロン行きの夜行列車』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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